中国の南の島、海南島の海口市で、家族とともに海水浴をしていた男児(6歳)がアメーバ寄生虫に感染して髄膜炎を発症し、重体になったことがわかった。台湾メディア「自由時報」28日付が伝えた。
今月初め、貴州省に住む母親が6歳になる息子をつれて海南省(海南島)海口市へ海水浴に行った。ところが帰宅途中から、息子は体調の異変を訴え始めたという。
男児は海水浴の後、連日39℃の高熱にうなされるほか、激しい嘔吐、意識混濁など重篤な状態が続いた。
医師による診断で、男児はアメーバ寄生虫の1種である「バラムチア」による感染で髄膜炎を起こしていたことが判明した。
男児は集中治療室(ICU)に入り、複数の治療を受けたものの改善が見られなかった。病院は、男児の家族に「病危通知書(危篤通知書)」を出したという。
中国メディアによると、この男児は26日現在も入院中だが「病状は深刻」と伝えられている。
バラムチア(Balamuthia mandrillaris)は熱帯・亜熱帯に生息する希少な寄生虫で、土、泥、腐敗した有機物のなかに存在する自由生活性アメーバの1種である。
野外で水遊びしたり、感染した水を吸入したりすることによって、まれに感染する。寄生虫が鼻腔から脳に侵入して増殖すると、髄膜炎や血管の出血などを引き起こす。
この寄生虫による症例は、世界でもわずか200例ほどしかない。非常に珍しい感染症で、目下のところ特効薬はなく、致死率99%と言われている。
「子供に広い世界を見せたいと思い、海へ連れて行った。まさかこんなことになるとは」。そう語る男児の母親は、一生後悔と自責の念にさいなまれると悔しげに語った。
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