米FBIレイ長官、中国のAI技術は「盗んだ知的財産で作られている」

2023/01/20
更新: 2023/01/20

米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は19日、スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラムで中国共産党の人工知能(AI)プログラムに「深い懸念」を示した。法の支配を無視する中国のプログラムは、国家安全保障を損なう事態を加速させると警鐘を鳴らした。

レイ氏は中国のAI技術は他国から盗んだ「知的財産と機密データで構築されている」と指摘。こうした事態を野放しにすれば、中国はAIを利用してハッキング、知的財産の窃盗、国内外での反体制派の弾圧をさらに加速させる可能性があると述べた。

中国共産党が2017年に発表した「新世代人工知能発展計画」によると、中国はAI開発に関して、2025年までに一部の技術とアプリケーションを世界トップ水準に向上させることを目標としている。習近平国家主席は昨年12月、23年の経済運営方針を決める会議で「AIなど先端技術の研究開発と活用を加速する」と強調した。

米政府はかねてより中国のAI技術に懸念を示してきた。各国の信教の自由に関する年次報告書の作成に携わった国務省高官は昨年6月、中国がAIに関連する技術を利用し、市民の監視を行っていると指摘。「刑務所と化した新疆の管理を続けている」と批判した。

米カーネギー国際平和財団が発表した報告書では、中国企業がウイグル弾圧に使用しているAI監視システムを63カ国に輸出していたことが明らかになった。華為技術(ファーウェイ)やハイクビジョンなどが挙げられ、中国当局による越境弾圧に技術が悪用される恐れがあると指摘した。

2021年10月には、米国の防諜当局が企業幹部や学者、地方・州政府関係者に、主要産業における中国の投資や専門知識を受け入れることのリスクについて警告を発した。

トランプ前政権とバイデン政権も中国軍のAIの発展は半導体能力に大きく依存しているとして、中国軍のエンドユーザーへの技術輸出を規制してきた。

トランプ前政権は、半導体受託メーカーの中国最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)など中国企業数十社を輸出管理対象とする「エンティティー・リスト」に加えた。バイデン政権も、防衛や監視技術分野に関連する中国企業への米国企業の投資規制を強化している。

大紀元日本 STAFF
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