米上院、政府端末でTikTokを禁止する法案を可決 

2022/12/15
更新: 2022/12/15

米議会上院は14日、国家安全保障のリスクを理由に中国動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を政府所有の端末で使用することを禁止する法案を全会一致で可決した。

「政府端末のTikTok使用禁止法案(No TikTok on Government Devices Act)」は2021年4月にジョシュ・ホーリー上院議員が提出した。国務省や国土安全保障省、国防総省などはすでに政府所有端末でのTikTok使用を禁じており、法案はこれを実質的に追認するものとなる。

法案成立には下院で可決された後、大統領の署名が必要となる。上院は同様の法案を2020年8月に全会一致で可決しているが、下院では審議が前進しなかった。

ホーリー議員は法案の可決を受け「TikTokは中国共産党のトロイの木馬だ。米国にとって大きなセキュリティリスクであり、政府のデバイスに居場所はない」と発言した。

TikTokの運営元は北京に本社を置く「北京字節跳動科技(バイトダンス)」。中国では国家情報法などに基づき、官民問わず中国企業は要請に応じて当局にデータを提供することを義務付けている。このことから、米議員らは国家安全保障のリスクを指摘してきた。

米国では12日現在、サウスカロライナやテキサスなど少なくとも6つの州で州政府の設備でTikTokを使用することを禁止する行政命令を出している。

13日には、マルコ・ルビオ上院議員を含む超党派議員団がTikTokの米国内での運用を完全に禁止する法案を提出。「邪悪なデジタル監視と影響力行使から米国を守るための強力な一歩」と強調した。

エポックタイムズはTikTokにコメントを求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。

エポック タイムズのニュースライター。主に米国、世界、およびビジネス・ニュース担当。