米メリーランド州、TikTokやWeChat使用禁止へ

2022/12/07
更新: 2022/12/07

米メリーランド州のラリー・ホーガン知事は6日、州政府機関の職員が中国動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」や通信アプリ「微信(WeChat)」をはじめとする中国製品やプラットフォームの使用を禁止する緊急指令を発令した。サイバースパイ活動や政府機関の監視など、セキュリティ上のリスクを理由に挙げた。

ホーガン氏は声明で、実質上中国共産党の支配下にある中国企業は「許容できないレベルのサイバーセキュリティリスクを有している」と指摘。同州を「弱体化させ、分裂させようとする外国組織」に断固とした対応を取ると強調した。

指令は、州の最高情報セキュリティ責任者(CISO)によって出されたもので、中国の通信機器最大手・華為(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)、テンセント(騰訊)、アリババ製品、一部ロシア製品などが対象となる。

今後、州の各機関は対象製品を州内ネットワークから削除するほか、使用やアクセスを防ぐためのネットワーク制限を実施する。CISOのチップ・スチュワート氏は「外国組織が引き起こすサイバーセキュリティの脅威からメリーランド州のシステムを保護するための重要な一歩」と意義を強調した。

中国の通信機器企業や製品をめぐって、米国は排除する動きに出ている。米連邦通信委員会(FCC)は先月、ファーウェイやZTEなどが製造する新たな通信機器の承認を禁止した。これに続き、サウスダコタ州のノーム知事も州政府機関の職員などが州調達のデバイスで、TikTokを使用すること禁じる行政命令に署名した。

連邦捜査局(FBI)のレイ長官は2日、ミシガン大学でTikTokが国家安全保障に対する脅威であることを改めて表明し「中国政府は、他を圧倒する規模で米国人のデータを盗もうとする意志を示している」と警告した。

米国をはじめ国際関係担当。
関連特集: アメリカ社会