米オハイオ州のアクロン大学は8日、校内に設置している孔子学院を来年6月に閉鎖すると発表した。米国では連邦政府から資金援助を受けられなくなることを懸念して、孔子学院を閉鎖する大学が増えている。
アクロン大学は、2009年から設置された孔子学院を、国防権限法(NDAA)に基づき、来年6月30日に閉鎖すると全校宛に通知した。同法は、孔子学院を設置する大学への資金援助の制限を定めている。
アクロン大学のジョン・ウィンツェック学長は、孔子学院は閉鎖するものの「今後も提携していた河南大学との関係を継続するつもりだ」と述べた。
中国共産党の出先機関でプロパガンダ組織とされる孔子学院について、米国は締め付けを強化している。上院は3月、学内に孔子学院を設ける大学側がその助成金やスタッフなどに関して全権限を持ち管理することを規定する孔子学院法案を全会一致で可決した。違反した場合、大学は連邦政府の補助金が削減される。
8月にはインディアナ州で唯一孔子学院を構えるバルパライゾ大学も、同院を来春閉鎖すると発表した。
孔子学院は2004年に韓国ソウルに初めて設立され、2020年7月時点で世界162カ国540か所あまりの大学相当の教育機関に設けられている。中国語と中国文化の教育を通じて、世界各国との相互理解と友好関係を促進しすることを掲げているが、中国共産党のプロパガンダ機関であると厳しい目が向けられる。
近年では、各国の孔子学院の閉鎖が相次ぎ、かつては100校以上あった米国の孔子学院は、現在では50校以下となった。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。