孔子学院が去って…台湾当局、米国内で17カ所の中国語教室を開設

2021/09/11
更新: 2021/09/11

米国で、台湾政府が出資する中国語教室「台湾華語学習センター」の設置が進んでいる。米台は昨年12月、言語学習を含む教育分野での提携を強化する文書を交わしており、中国語教室の開設はこの取り組みの一環。米政府高官によれば、中国共産党が管理する言語教育機関・孔子学院は宣伝機関との批判が起こり、米各地で孔子学院の閉鎖が続いていることも米台協力の強化の背景にあるという。

台湾華語学習センターは、台湾当局の中国語教室をサンマリノ、ロサンゼルス、サンフランシスコのシリコンバレーなど17カ所に開設を予定している。

9月9日、台湾華語学習センター長で台湾僑務委員会の童振源委員長は、大使館に相当する米国在台協会(AIT)で記者会見を開いた。童氏は、過去数十年にわたる華僑華人会と米国内の360以上の中国語学校との協力関係を活用して、米国の成人は「ゼロ」の状態から中国語を学べるようにしていると述べた。

童氏は、台湾系華僑は半世紀前から米国などの海外の教育機関と連携していると述べ、中国共産党体制の言論統制との違いを示した。「台湾は自由、民主、多元的で開かれた教育環境があり、教科書に何が書かれていようと、みんなで議論すればいい。私たちは干渉しない」と述べた。

また、孔子学院とは同じ土俵に立っていないことも付け加えた。「孔子学院は米政府により制限されたり、追い出されたりしている。 台湾は米国と同じ価値観を共有している。米主流層から多くのサポートを得られると考えている」。

米国在台協会のブレント・クリステンセン所長(当時)は昨年12月、米台教育イニシアティブの立ち上げ時に、「中国の検閲や悪質な活動が知られ、世界中で多くの大学が孔子学院を閉鎖している」と指摘。同時に、「米国や海外の学生の間では中国語学習の関心は依然として高く、台湾はその関心に応えるために重要な役割を果たすことができる」と答えた。

米国務省は昨年8月、米国にある孔子学院を統括する「孔子学院米国センター」を中国政府の在外公館とみなしたと発表。トランプ政権の国務長官マイク・ポンペオ氏は、昨年10月中旬のインタビューで「年末までに全てを閉鎖することを望む」と語ったことがある。

バイデン政権以降も孔子学院に対する厳しい対応を続けている。今年3月、米上院では孔子学院に対する資金やカリキュラムの情報開示を求める法案を全会一致で可決。大学側が助成金や人員に関する権限を全て持ち管理することを定め、管理が不十分な場合には、政府の補助金が削減されるという。

(翻訳編集・佐渡道世)