[北京 30日 ロイター] – 新型コロナウイルスの感染者が増加する中国中部の河南省鄭州市で、アップルのiPhone製造を請け負う台湾・鴻海精密工業の工場から、出稼ぎ労働者が故郷に戻る動きが出ており、周辺の都市は帰郷した労働者らに隔離を求めている。
鄭州市で29日までの7日間に確認された感染者数は167人と、前期間の97人から増加した。
鴻海の鄭州工場で働く労働者は約20万人。会社側は社内の感染者数を公表していないが、労働者が工場を離れるのを止めない考えを30日に明らかにした。
禹州や長葛、沁陽など鄭州周辺の都市は29日、鴻海の労働者に対し帰郷前に当局に報告するよう求めた。また、事前に手配した車で直接帰郷し、到着後に隔離を行うよう指示した。
鴻海は30日、帰郷を希望する一部従業員について政府と協力して車両などを手配しているとロイターに説明した。
コロナ対応が長期戦であるとの認識も示した。同時に、状況は徐々に抑制されつつあるとしたほか、生産への影響を抑えるため他の工場と予備生産能力の調整を行う方針を示した。
SNS(交流サイト)では29日以降、鴻海従業員が畑や道路沿いを歩いて故郷に向かっているとみられる画像が出回っていた。ロイターは投稿の真偽を確認できていない。
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