米国立研究所、就職希望なら「ウソ発見」検査を義務付け 米議員が法案提出

2022/08/03
更新: 2022/08/03

米共和党の上院議員2人は7月29日、エネルギー省(DOE)の国立研究所に就職を希望する中国やロシアからの外国人に対して、ポリグラフ検査(いわゆるウソ発見検査)を実施するよう義務づける法案を提出した。機密研究を担う国立研究所からの技術盗用阻止を図る。議員らは安全保障上の脅威を特定し「悪意ある外国人への抑止力となる」と強調した。

法案は、上院エネルギー天然資源委員会委員長のジョン・バラッソ氏とロジャー・マーシャル氏が共同提出した。国内にある17の国立研究所に就職を希望する応募者にポリグラフ検査を実施するようエネルギー省に求める。国務省の「特に懸念される国」リストに掲載されている中国、ロシア、イランからのグリーンカードを取得していない外国人が対象となる。

17の国立研究所には、第二次世界大戦中のマンハッタン計画が発端となり設立されたオークリッジ国立研究所や、核兵器の研究開発を行うローレンス・リバモア国立研究所などが含まれる。科学者が関心を寄せる資源や研究分野に加え、安全保障の重要技術に関する機密研究も行われていることから、中国当局が主導する「千人計画」の標的となってきた。

米議会上院の小委員会は2019年、国立研究所が外国からの影響に対して脆弱だと警告する報告書を発表している。その中で、国立研究所で雇用されていたある人物(個人Nとのみ表記)を例に挙げ、「研究所と中国機関との間で公式な共有契約を結ぼうとしていた」ほか、少なくとも4人の中国人と千人計画の参加者を雇用していたと指摘した。

バラッソ氏とマーシャル氏は法案提出にあたり、外国勢力による技術盗用は「同盟国を害するだけでなく、米国の国家安全保障と経済競争力の双方に甚大な影響を及ぼしかねない」と危機感と示した。

両氏によれば、情報機関と同様のポリグラフ手順を確立するという。

(翻訳編集・山中蓮夏)

米国の議会政治・政策を担当するエポックタイムズの調査記者・編集者。2006年に「全米情報公開法(FOIA)の殿堂入り」を果たし、2008年にはCPACの「ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー」に選出。2014年にはコロラド・スプリングス・ガゼット紙のピューリッツァー賞受賞シリーズ「Other Than Honorable」でコンサルティング・エディターを務めた。