この記事は米国のテッド・クルーズ上院議員ほか2名による評論です。
中共ウイルス(新型コロナ)のパンデミックが始まって以来、米国食品医薬品局(FDA)と米国疾病予防管理センター(CDC)は一つのことを教えてくれた。それらの機関が公衆衛生上の緊急事態を発表するとき、我々は警戒しなければならないということだ。これは悲しい話だが、我が国の幼き無垢な児童の安全を守りたいのならば、認めざるを得ない事実である。FDAの諮問委員会は6月、乳幼児に対するファイザー製とモデルナ製のワクチンの緊急使用を許可した。
驚くべきことに、FDAは最近、「まれ」だが「生命を脅かす」副作用があるとして、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の新型コロナワクチンの使用を制限すると発表した。この種のワクチンはいままで接種が推奨され、場合によっては強制されることもあった。ワクチン接種が始まって14か月が経ち、FDAはようやくこの声明を出したのである。FDAによれば、他社製のワクチンを使用できない場合などに限り、J&J製のワクチンの使用を許可するとしている。いかにも「科学的な」声明だ。
1年ほど前、FDAはJ&J製ワクチンについて「安全性と有効性についてFDAの求める基準を満たしており、緊急用のワクチンとして認可するにふさわしい」とした。このワクチンはFDAの「安全性、有効性、製造品質に関する厳格な基準」をクリアしたものの、治験時間が極めて短い。慎重にことをすすめたい人々の懸念を払拭できるものではなかった。
今や危険視されているJ&J製ワクチンだが、FDAは1年前に肯定的な評価を下した。このような機関が、乳幼児や児童へのワクチン接種に対する安全性や有効性の基準を保証したところで、信用できるだろうか。
先日、我々はFDAのロバート・M・カリフ長官に宛てた書簡のなかで、大手製薬会社が乳幼児へのワクチン使用認可を急いでいることに対する深い懸念を表明した。特に連邦政府がすでに数百万回分のワクチンを購入していることを考えると、ほぼ確実に児童へのワクチン接種の義務付けにつながると想定される。
中共ウイルスに感染した18歳の児童の生存率は99.995%である。CDCが発表したデータによれば、中共ウイルスの患者の70%が回復した。では、長期的な副作用が不明であり、主に男性児童で見られる心筋炎のような有害事象が発生するリスクがあるにもかかわらず、なぜ児童への使用を許可するのだろうか。
米国の医学雑誌『JAMA Cardiology』4月号に掲載された研究では、16〜24歳の男性にとって心筋炎がいかに悲惨なものであるかが示されている。これまでワクチンを接種した5〜11歳の児童において、1万件以上の有害事象が報告されている。
実際、ワクチン接種後の児童で心筋炎を患ったというケースは比較的多い。CDCは最近、ワクチンを接種した児童の心筋炎発症を防ぐために、ワクチン接種の間隔をあける試みを検討すると発表した。
2月に発表されたある研究結果によると、ファイザー製ワクチンを接種した5〜12歳の児童について、接種してから30日後の有効率はたった12%だった。ならば、3回目の接種で効果は上がるだろうか。また、0〜4歳の幼児ではワクチンの効果はどれほど落ちるのだろうか。さらに重要なのは、ワクチンを接種した児童はどのようなリスクに直面するのだろうか。これらの質問に対する答えをFDAは持ち合わせていない。
先日、我々はFDAと「ワクチンならびに関連の生物製剤に関する諮問委員会(VRBPAC)」に宛てた書簡の中で、乳幼児へのワクチンの緊急使用が承認される前に確認すべき情報について、以下の質問をした。
- FDAが最近、最も低い年齢層の児童に向けたワクチンの有効性基準を引き下げたのはなぜか。
- ワクチンが5歳以下の児童向けに承認され広く接種が行われた場合、今後1年間にどれだけの命が救われるとFDAは推定するのか。また、FDA独自のワクチン有害事象報告システム(VAERS)で報告された事例を踏まえ、ワクチンによる傷害と中共ウイルス感染による被害との間のトレードオフについてどのように評価するのか。
- 基礎疾患のない5歳以下の児童で、中共ウイルスまたはその変異株に感染し、死亡または入院したケースはいくつあるのか。
- FDAの情報公開はなぜこれほどまでに遅いのか。数十万ページに及ぶ資料のなかには、ワクチン承認前後のメーカーによる試験データや有害事象に関するデータなどが含まれている。
FDAとCDCは数多くの質問に回答すべきだ。安全性に懸念があるこれらの実験的なワクチンを我々の子供に接種することについては、利得よりも弊害が大きくなる可能性が高い。にもかかわらず、私たちの政府はこの点についてまったく気にかけていないようだ。
(翻訳・牧村光莉)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。