中国で6か月以上に渡り不法に拘束されている人権弁護士・唐吉田氏の釈放を求め、世界各国の有識者らが9日、署名付きの声明を発表した。米政府系「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」によると唐氏の健康状態は悪化している。
唐氏は昨年12月10日、駐北京EU代表事務所が主催する国際人権デーの行事に出席する予定だったが、道中で「治安維持」を理由に連行された。RFAの報道によれば、吉林省の留置所にいる唐氏の健康状態は悪化しており、3日には転倒して出血したという。
唐氏の釈放を求める声明には周鋒鎖氏や傅希秋氏ら中国の人権活動家や弁護士のほか、日本、韓国、欧州などの専門家も加わった。
唐氏の娘は日本の大学に通っていたが、重度の結核を患い都内の病院に入院している。娘の面会のため出国を試みたが、北京当局は許可しなかった。
中国の人権弁護士だった唐吉田氏は、土地の強制収用の被害者や法輪功学習者など、中国共産党によって弾圧されている人々のために弁護活動を行ってきた。その過程では当局による非合法的な拘留に加え、弁護士資格をはく奪された。唐吉田氏は2018年にフランスの人権賞を受賞している。
声明では、唐吉田氏が以前は検事であったことを挙げ「もともとは体制内で安定した生活を送ることのできる立場だった。しかし、中国社会の法治、民主と人権の保護のために人権弁護士となり、法律の尊厳と、中国人の基本的な人権を侵害から保護してきた。(弱者支援の)法定代理人となったとき、ストーカーや襲撃、拘禁など幾つもの被害を経験している」と紹介した。
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