豪副党首、中国共産党は「最大の安全保障上の懸念」

2022/06/03
更新: 2022/06/03

リチャード・マールズ豪副党首は、太平洋諸島諸国で影響力を拡大する中国共産党は「最大の安全保障上の懸念」だと強調した。

スカイ・ニュース・オーストラリアに出演したマールズ氏は1日、中国が太平洋島嶼国10カ国と結ぼうとした地域的な包括的枠組みは合意には至らなかったものの「太平洋に関心を持ち続けるだろう」と警鐘を鳴らした。

中国の王毅外相は30日、訪問先のフィジーで南太平洋諸国10カ国と外相会議を行い、経済や安全保障面での連携強化する協定の締結を提案した。しかし、一部の参加国が協定への懸念を示し、合意には至らなかった。ミクロネシア連邦のパニュエロ大統領は周辺国に書簡を送り、協定は中国と西側の間で新たな「冷戦」を引き起こす可能性があるとして、中国の提案に反対するよう呼びかけた。

いっぽう、中国政府は「包括的戦略パートナーシップを推進するため、より一層の努力を続ける」と発言。これに対しマールズ氏は、太平洋地域における中国共産党の行動がオーストラリアの戦略的枠組みに影響を与え、「豪州に大きな課題」を突きつけていると懸念を表明した。

中国は4月、南太平洋の島国ソロモン諸島と安全保障協定を締結。日米豪は中国が軍艦を定期的に寄港させ、ソロモン諸島を軍事拠点として運用することを懸念している。
 

米国をはじめ国際関係担当。