米国務省、上海総領事館の職員らに退避命令 厳しい都市封鎖で

2022/04/13
更新: 2022/04/13

米国務省は11日、都市封鎖が続く上海市の米総領事館の一部職員とその家族に現地からの退避を命じた。同省は9日、「自主撤退を認める」と発表したばかりだ。

在中国米国大使館が発表した声明は、「職員とその家族の人数を減らし、業務を縮小することが最善である」と示した。緊急業務に関わっていない職員らは12日に帰国するという。

中国最大の経済都市である上海市は2週間前から、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染拡大防止策として都市封鎖が続いている。自宅からの移動を禁止された市民は、食料不足や医療の逼迫などに不満を募らせている。

ブルームバーグによると、元米当局者は、米政府は上海での食料や医療問題を心配し、総領事館の職員らに退避を命じたと説明した。米政府は、都市封鎖が他地域に広がれば、領事館職員らの退避はより難しくなるのではないかと懸念を強めているという。

中国外務省の趙立堅報道官は12日の記者会見で、米国務省の対応をめぐって「総領事館の職員退避を政治化したことに、強烈な不満を表明し、断固反対する」と反発した。同報道官は、米側が中国の防疫政策を「中傷した」と批判。

米国務院が9日、上海総領事館の一部職員を対象に自主撤退を承認すると公表した際、同報道官は、中国の感染防止対策に対する米側の「言いがかりだ」とした。

在中国米国大使館は声明で、米政府は「中国にいる職員とその家族を含む海外に滞在する米国民の安全と安心を何より優先する」と強調した。

 

張哲
張哲