米議会トップのペロシ氏、今週末に日本訪問 その後台湾へ=報道

2022/04/07
更新: 2022/04/07

ナンシー・ペロシ下院議長率いる米議員団が今週末に訪日し、岸田文雄首相や細田博之衆議院議長らと会談する見通し。その後、台湾を訪れるという。日本や台湾海峡への関与を示すことで影響力の拡大を続ける中国を牽制する。日本や台湾のメディアが7日までに報じた。

NHK英字版などによればロシアによるウクライナ侵攻を背景にした「力による現状変更」をめぐり、日米間の政策調整について話し合う。インド太平洋地域で軍備増強する中国についても議題に上がるとされる。現職の米下院議長が台湾を訪問するのは25年ぶり。

松野博一官房長官は6日の記者会見で、ペロシ氏の来日について「日米間で調整中であり、会談相手や具体的議題は決まっていない」と説明を控えた。 

近年は相次ぎ米議員団が台湾を訪れているが、中国共産党の外交的妨害を避けるため、事前に詳細は公開しないことが慣例化している。昨年11月、米民主党マーク・タカノ議員率いる超党派議員団の訪台前、エリッサ・スロトキン議員とナンシー・メイス議員は訪台をめぐる報道で中国大使館から訪問を中止するよう要請があったことをSNSで明らかにした。

最近では3月1日、バイデン大統領の指示でマレン元統合参謀本部議長率いる米代表団が訪台。その数日後には、ポンペオ元国務長官が個人的に訪台した。いずれも蔡英文総統と面会している。

ペロシ氏は1989年の天安門事件以降、積極的に中国人権問題について発言してきた。人権侵害を理由に北京冬季五輪には外交使節団を送るべきではないと、米国の重鎮議員のなかで第一声を発した。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。