中国がロシアの戦争支援なら…EUは台湾防衛に投資を=EU議員

2022/04/06
更新: 2022/04/06

5日の欧州議会で、シャーリー・ウェイメシュ欧州議会議員は欧州連合(EU)と中国の関係を見直す必要があると訴えた。また、EUは防衛分野の投資を含む台湾との協力に際限を設けないよう提案した。

議会では、今月初めに開催されたEU中国首脳会談について議論された。EU議会保守改革委員会副委員長を務めるウェイメシュ氏は、ウクライナを侵攻するロシアへの支援や中共ウイルス(新型コロナ)起源の隠蔽、不公正な貿易慣行といった中国(共産党)をめぐる課題を並べたうえで、ロシアと中国は「際限のない戦略的協力関係」にあることを強調。中国とEUの経済関係を見直すべきだと述べた。

台湾外交部はウェイメシュ氏の発言に謝意を示した。「中国がロシア寄りのなか、台湾 はEU と共に平和を促進し、民主主義を守る」「戦争の残虐行為は重要な教訓を与えている。善良な勢力は権威主義を抑止するため団結しなければならない」とコメントした。

1日、EU中国首脳会談が開かれた。フォンデアライエン委員長は双方の立場の違いを認めたうえで「中国がEUの(対ロシア)制裁を支持しなくとも、中国がいかなる方法でもこれを妨げることのないよう求める」と、ロシア制裁の抜け穴を作らないよう釘を刺した。

この会談では昨年1月に凍結したEU中国投資協定の協議について、直接の言及はなかったが現状打開策について話が及んだという。しかし、主にはロシア・ウクライナ問題が議題だとフォンデアライエン氏は強調し「侵略行為に対するEUの深刻な懸念と、それを容認しないという強い決意を伝える重要な機会だった」と総括した。

サミット後のEU側の記者会見で、ミシェル常任議長は「ロシアを財政的あるいは軍事的に支援するいかなる試みも警戒している」と中国を牽制した。

人権問題などによりEUが中国共産党との距離を置くなか、台湾とは接近が続く。昨年11月には、欧州議員団が訪台し蔡英文総統ら首脳陣と面会した。双方は虚偽情報やサイバー攻撃などの脅威について意見交換した。

欧州議会は昨年10月、EUと台湾間の投資協定(BIA)締結を促し、中国による軍事的な挑発に対して措置を講じるよう求める報告書を賛成多数で可決した。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。