「国際秩序の新たな枠組み必要性示す」首相、常任理事国の拒否権抑制に言及

2022/03/15
更新: 2022/03/15

岸田首相は14日の参議院予算委員会で、国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアのウクライナ侵攻について「国際秩序の新たな枠組みの必要性を示している」と述べ、国連安保理改革に取り組む姿勢を強調した。フランスが以前提案した拒否権行使の抑制に関する青山繁晴参院議員の質問への答弁。

青山議員は、常任理事国の拒否権抑制案に関するフランスの提案について、ロシアによるウクライナ侵攻を鑑みて、国連改革の一環として取り組む努力を日本はすべきだと提起した。この提案は日本を含む105カ国の支持を得ているが、米中露は賛成していない。

青山議員はまた、ウクライナ情勢を受けた日本の安全保障の課題について、第二次世界大戦の教訓である集団的な抑止と、新たな相互主義に基づく日米同盟の抑止力について岸田首相に尋ねた。

首相は「我が国の周辺には強大な軍事力が集中し、その軍事力は強化されている。軍事活動が活発化する傾向は顕著だ」と指摘、「世界屈指の同盟」である日米同盟の拡大抑止の重要性に言及した。

その上で「今回のウクライナ情勢は、改めて同盟関係また各国関係の重要性を再認識させる事態だと受け止めている」とし、年内に策定される国の安全保障の根幹となる戦略三文書(国家安全保障戦略防衛計画の大綱中期防衛力整備計画)の見直しを通じて安全保障について考えていくと述べた。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。
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