国連で露外相演説…各国外交官が一斉離席 日本代表も参加

2022/03/02
更新: 2022/03/02

ジュネーブで1日に開かれた国連人権理事会で、ラブロフ露外相の演説時に日本を含む大半の各国代表者が一斉に離席した。2日の松野博一官房長官の会見によると、この行動はウクライナ侵攻に抗議の意と連帯を示すため、現地の各国代表部間が調整して実施されたという。退席した外交官は100人程度に上ったとみられる。

政府はロシアのウクライナ侵略は「力による一方的な現場変更であり国際規範の根幹を揺るがす行為だ」として厳しく非難している。このうえで松野氏は「国際秩序の根幹を守り抜くため、結束して毅然と行動しなければならない」と強調し、日本も今回の一斉離席に加わったと述べた。

ジュネーブで開催された国連人権理事会でウクライナの旗を持ったイエベニア・フィリペンコ大使(カラフルなマスクをつけた女性)の周りに集まる外交官たち(Photo by FABRICE COFFRINI/AFP via Getty Images)
 

ロシアの攻撃が首都キエフにも及んでいることから、外務省は1日に日本大使館を一時閉鎖し、西部リビウに開設した臨時事務所に大使館の機能を移した。松野氏によれば、ウクライナ滞在の在留邦人は2月28日時点で約120人。生命や身体に被害が及んだとの情報には接していないとした。

ウクライナ隣国のポーランドには避難民が押し寄せている。岸田文雄首相は28日、隣国ポーランド南東部の都市ジェシュフに臨時の連絡事務所を開設して邦人保護などの業務を行うとした。

ウクライナ政府が募集する外国人義勇兵に約70人の日本人が志願したとの報道について、松野氏は現地外務省から同国への退避勧告が出ていることを挙げ「目的のいかんを問わず、渡航は止めていただきたい」と呼びかけた。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。
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