米ジョージ・ワシントン大学(GWU)の学長はこのほど、キャンパス内に貼り出された北京冬季オリンピックのボイコットを呼びかけるポスターをめぐって、ポスターの撤去および「犯人探し」を約束した初期の判断は誤りだったと表明した。
ポスターは、オーストラリア在住の中国系アーティスト、反体制派の政治漫画家として知られている、バーディユツァオ(Badiucao、巴丟草)氏の作品。
当初、同大学の中国学生学者聨合会(GWU CSSA)、中国文化協会(GWU CCA)の関係者がポスターは中国人に対する偏見と差別であると大学に苦情を寄せ、ポスターの持ち主を特定するよう求めた。
マーク・S・ライトン学長は、中国人留学生への返信メールで、ポスターを直ちに撤去し、持ち主を割り出すことを約束した。
いっぽう、このことの経緯がSNSに投稿されると、事態は急展開をみせた。
共和党のマルコ・ルビオ上院議員がツイッターでこの件について、米国の多くの大学が中国政府の「熱心なエージェント」となって、米国内で言論検閲を行っていると懸念を示した。
7日、ライトン学長は大学関係者全員宛ての公開書簡で、これまでの対応は間違っており、中国共産党の政策を批判する同ポスターは「人種差別」に当たらないという見解を示し、責任追及や処罰を行わないと方針を転換させた。
ライトン氏はワシントン大学セントルイス(WUSTL)で24年間学長を務めた後、今年1月1日にジョージ・ワシントン大学の学長に着任した。中国政府が2015年に「新シルクロード大学連盟」を設立すると、ワシントン大学セントルイスはいち早く加盟し、ライトン氏は同連盟実行委員会の唯一のアメリカ人委員である。
(翻訳編集・叶子静)
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