英紙デイリー・エクスプレス23日付は、情報筋の話を引用し、同国の対外情報機関である秘密情報部(MI6)はロケット専門の中国人科学者の米国亡命に協力したと伝えた。
報道によると、同科学者は30代で、中国極超音速ミサイル技術分野の重要な技術者である。同氏の亡命により、米英両国は極超音速ミサイルに対する防御計画を加速することができる。中国当局が同氏の亡命で漏えいした情報を無効にするには2年かかる可能性があるという。
中国人科学者は、中国国有企業の中国航空工業集団に所属し、東風17(DF-17)ミサイルを最大2000マイルまで運ぶことができる中距離極超音速滑空体の開発に携わっていた。中国当局のより新しい極超音速ミサイル運搬システムの研究開発にも参加した。同システムでは、ミサイルが降下する前に宇宙空間で地球を一周し、熱探知技術を使って地球上のあらゆるターゲットを攻撃できる。
報道によれば、中国人科学者は反体制派ではなく、昇進や待遇を巡って職場や当局に不満があったという。昨年9月末に香港の英国情報機関に接触し、情報提供した。自身と妻子が亡命するとの意向を示した。
MI6は香港からの知らせを受け、エージェント2人と技術専門家1人を香港に派遣した。米国の中央情報局(CIA)にも知らせたという。当初、MI6は、中国当局の罠の可能性もあると警戒し、中国人科学者の身元を慎重に調べたが、最終的に信頼できる人物だと判断した。
MI6とCIAは、科学者一家を英国の旧植民地に渡航させ、その後ドイツの米空軍基地、英国内を経由して米国に向かわせた。
英外務省はデイリー・エクスプレス紙に対して、中国人科学者の亡命についてコメントしないと示した。
(翻訳編集・張哲)
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