チャイナテレコムは米事業を継続する意向 専門家、政権にIEEPAの行使を求める

2022/01/06
更新: 2022/01/06

中国の国有通信大手・中国電信(チャイナテレコム)は米連邦通信委員会(FCC)の業務停止命令にもかかわらず、米事業を継続する方針を示した。専門家はバイデン米大統領に対し、厳しい制裁の発動が可能な国際緊急経済権限法(IEEPA)を行使するよう求めた。

FCCは昨年10月、安全保障上の懸念を理由にチャイナテレコムの米国での事業免許を取り消すと発表。1月初旬までに米国での通信サービスを停止するよう命じた。同委員会はチャイナテレコムが中国共産党政権の支配下にあると指摘し、スパイ活動や米国に有害な活動に利用される恐れがあると判断した。

これに対し、チャイナテレコムは昨年11月、FCCのローゼンウォーセル委員長宛ての書簡の中で、同社が継続予定の通信事業はFCCが指摘しているコモンキャリア事業には該当しないと反論。「契約上の義務を果たし、顧客に混乱をもたらすことを避ける」ため、1月3日以降も米国でのプライベートキャリア事業を継続する意向を示した。

米大統領の国際緊急経済権限法

米ワシントンのシンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)の技術政策部門トップのジェームズ・ルイス氏は大紀元の取材に対し、チャイナテレコムがFCCの命令に異議を唱えたとしても、米大統領はIEEPAで認められている権限を行使することが可能だと指摘した。

IEEPAは安全保障や経済に対する重大な脅威に対し、非常事態宣言後、大統領にさまざまな経済取引を規制する広範な権限を与える。

2019年5月にはトランプ米大統領(当時)が非常事態宣言を出しIEEPAを発動。米国の安全保障を脅かす可能性のある企業が製造した通信機器を米国企業が使用することを禁止した。同日、商務省は華為技術(ファーウェイ)と関連企業70社を輸出管理対象とする「エンティティーリスト」に追加し、米政府の許可を得ることなく米企業から技術や部品を調達することを禁じた。

ルイス氏は、チャイナテレコムの提供するサービスがFCCの禁止措置の対象となるかは裁判所の判断に委ねられると述べ、同社の米国での事業継続を阻止するためにも迅速な対応が求められると強調した。

「大統領がIEEPAを行使しない場合に限り、チャイナテレコムは事業を継続することができる」と述べた。

米国をはじめ国際関係担当。