米共和党下院議員が結成した委員会「チャイナ・ タスクフォース」は16日、米SNS大手ツイッターの最高経営責任者(CEO)に就任したパラグ・アグラワル氏に対し、中国共産党が国外で拡散を試みる「悪意あるプロパガンダ」への対処を求めた。
中国共産党は世論戦の舞台として海外大手SNSを活用している。世界で2億人あまりが利用するツイッターでは、中国政府を背景にしたアカウントが中共ウイルス(新型コロナ)や少数民族などの弾圧について偽情報を流す問題が浮上していた。
チャイナ・ タスクフォースに所属する14人の議員らはアグラワル氏に宛てた共同声明のなかで、中国では使用が認められていないツイッターを利用し、中国共産党は反民主主義的なアジェンダを推進したり、人権や言論の自由を抑圧していると主張。ツイッターが中国共産党のプロパガンダを拡散するプラットフォームとならないよう対策を呼びかけた。
声明によれば、新疆ウイグル自治区のウイグル人や香港民主派の弾圧で国際的な批判が高まった2019年以降、中国共産党はSNSを使った偽情報の拡散に力を入れている。さらに同年に発生した中共ウイルスの起源に関してもツイッターを利用して偽情報を拡散しているとし、米議員らは「特に懸念する」との見解を示した。
2020年3月には、南アフリカ中国大使が中共ウイルスの「起源は米国」だとツイッターに投稿し拡散した。下院外交委員会の報告書によりこの主張は虚偽だと証明された。さらに昨年5月までに、中国共産党は中共ウイルスの「偽情報拡散作戦」を実行し、200の外交官や国営メディアのアカウントから9万の投稿を行なったと指摘。米国に責任転嫁するためにSNSを使用していたと付け加えた。
ウイグル人や少数民族に対するジェノサイドについても懸念を表明した。在米中国大使館は、「中国政策によりウイグル人女性の生活が向上している」と主張するなど、中国共産党の弾圧行為を正当化する投稿を行なっている。現在この投稿は削除されているものの、いまだ同様の内容の投稿が多々みられると述べ、「一刻も早い対応を求める」と強調した。
ツイッターは2日、中国政府に有益なメッセージを拡散する活動に関わった2000を超えるアカウントを削除したと発表。これらのアカウントは、新疆ウイグル自治区でのウイグル人に対する強制労働や強制的な不妊手術など、長年にわたる弾圧政策の疑惑をかき消そうとする内容だったという。
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