米格付け大手フィッチ・レーティングス(以下はフィッチ)は9日、中国不動産開発大手の恒大集団とその子会社、佳兆業集団の外貨建て長期発行体格付けを部分的な債務不履行(デフォルト)に相当する「RD」に引き下げたと発表した。
同社は9月末、恒大集団の格付けを「CC(すべての金融債務が不履行に陥る懸念が強い)」から「C(デフォルトに近い状態)」に引き下げたばかり。
フィッチによると、恒大集団傘下の景程有限公司は2件のドル建て社債の利払いを、猶予期間が終了する12月6日に実施しなかった。合計金額は8250万ドル。11月6日が期限であった。これを踏まえて、フィッチは「RD」に引き下げを決定したという。
米紙ニューヨーク・タイムズは、フィッチの格下げにより、恒大集団の債務が正式にデフォルトになったとの見方を示し、同社が今後、破産手続きに入るか、事業を売却または中止するかなどは、現時点でわかっていないと指摘。米国などの各国では、債権者は法的プロセスを通じて、企業再編を求めることができるが、中国共産党の統治下ではすべては不明だという。
ニューヨーク・タイムズ紙は、中国当局がジレンマに陥っていると分析した。恒大集団のような大企業の突然の破綻を許せば、中国不動産市場と金融システムの安定性に打撃を与えることになり、すでに支払いの済んだ住宅購入者も多大な損失を被ることになる。救済措置を行えば、指導部は巨額の債務を抱える不動産企業の救済に必ず乗り出すというメッセージを送ることになる。
いっぽう、フィッチは9日、中国不動産企業の佳兆業集団も「RD」に格下げした。佳兆業集団は7日、満期を迎えた4億ドルのシニア債を償還できず、112億ドル規模の未返済のオフショア社債についてクロスデフォルト条項が発動される見通しだ。このため、フィッチは格下げを決めた。
佳兆業集団は中国で27番目に大きい不動産開発企業である。恒大集団と佳兆業集団が抱えるドル建て社債の合計は、中国不動産開発企業が償還していないドル建て社債全体の15%を占めるという。
(翻訳編集・張哲)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。