カナダ警察は9日、宇宙開発を担う政府機関「カナダ宇宙庁(CSA)」元職員の鄭萬平(Wanping Zheng、音訳、61歳)を、同庁在籍中に中国の航空宇宙企業のために働いた疑いがあるとして背任罪で告発したと発表した。
発表によると、鄭は自身のCSAエンジニアとしての身分を利用して、中国の航空宇宙企業を代表し、アイスランドでの衛星放送施設の設置協定の交渉に関与したとされている。
同被告は8日に逮捕され、15日にカナダ・ケベック州ロンゲールの裁判所に出廷する予定だ。
カナダ警察はプレリリースの中で、CSAはカナダの重要なインフラの1つであり、国家安全保障にとって戦略的に重要なものだとした。
カナダ警察の責任者であるDavid Beaudoin氏は同案件を「外国からの干渉が関わっている」とする考えを示している。カナダ放送協会(CBC)によると、同氏は、「被告人がアイスランドで衛星施設の契約を促進したのは、すべては中国の航空企業が優位に立つためだ」と指摘した。
法廷に提出された文書によると、鄭被告の犯罪行為は2018年7月1日~2019年5月30日の間に行われた。
CSAは、鄭の活動に懸念が生じ、内部調査やアクセス制限などの関連措置を実施した後、同被告を解雇したと明かした。
(翻訳編集・李凌)
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