英国情報機関、秘密情報部(MI6)のリチャード・ムーア長官は11月30日、中国当局とロシアが量子コンピューティングや人工知能(AI)などの技術の習得に莫大な資金を投じ、研究開発に取り組んでいると警告した。いっぽう、米国企業が公表した調査報告書は、中国当局は将来、機密情報の窃取に量子コンピューティングを利用する可能性が高いとの見方を示した。
米情報技術調査企業、ブーズ・アレン・ハミルトン(Booz Allen Hamilton)は11月29日、調査報告書「量子時代における中国の脅威(The Chinese Threats in the Quantum Era)」を発表した。
報告書は、中国当局が最近、量子コンピューティング分野において「主要なプレーヤー」となったと指摘した。この分野における中国側の技術発展は今後、欧州と米国を凌ぐと予測した。報告書はまた、中国当局は将来、量子コンピューティングを通じて先端武器の設計図、中国当局に潜入した他国の情報部員や情報提供協力者など、様々な機密情報を窃取し解読する可能性が高いと警鐘を鳴らした。
MI6のムーア長官は30日、昨年10月2日に長官に就任以降、初となる演説を行った。
長官は、中国当局とロシアは量子コンピューティング、AI、合成生物学などの技術の習得のために「資金を投じ、注力している」と述べた。
同氏は、「今後10年間の技術進歩は、過去100年間に行われたすべての技術進歩を上回る可能性がある」「地政学的に潜在的な影響を与える」との認識を示した。西側諸国の諜報機関は、中国当局が数十年以内に、AIや合成生物学、遺伝学を含む新興技術を支配する可能性があると懸念しているという。
(翻訳編集・張哲)
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