経済産業省はこのほど、外務省と連名で実施した「日本企業のサプライチェーンにおける人権に関する取組状況のアンケート調査」の結果を発表した。日本企業のビジネスと人権への取り組み状況に関して初の政府調査だ。回答した企業のうち7割が人権方針策定を定めていることがわかった。
日本は2011年に国連人権理事会の関連決議で定められた「ビジネスと人権指導原則」に基づき、2020年10月に「ビジネスと人権」に関する計画を策定した。人権対処への現状把握のため、今年9月3日から10月14日にかけて上場企業(東証一部、二部)2786社に対して調査を行い、そのうち760社が答えた。
調査結果によると、約7割が人権方針を策定しており、5割強が人権デュー・デリジェンス(企業活動における人権への負の影響を特定して予防・軽減・情報公開すること)を実施していることがわかった。外部のステークホルダー関与は3割だった。人権方針を策定している企業の中に、6割強が国際的な基準に準拠。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠しているケースが約7割と最も多い。
そして、人権デュー・ディリジェンスを実施している企業は5割強。その企業のうち、間接仕入先まで実施している企業は約25%、販売先・顧客まで実施している企業は約10%~16%だった。
人権に関する取組について5割強の企業が情報公開している。回答した企業で、売上規模が大きくなるほど、人権対応基礎項目の実施率が高くなる傾向があるという。
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