米国国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長は28日、南アフリカなどで見つかった中共ウイルス(新型コロナウイルス)の新たな変異株・オミクロン株について、ワクチンの有効性を判断するには数週間を要するとの見解を示した。「フォックス・ニュース・サンデー」が報じた。
コリンズ氏によると、オミクロン株のもつ変異はこれまでに検出された株の中で最も多様性があり、ウイルスの感染にかかわる部位「スパイクタンパク質」に30カ所以上の変異が確認されたと指摘した。そのため、ワクチンの有効性を判断するのが困難になっているとし、全容が判明するには2〜3週間を要すると説明した。
ただ、このような状況のなかでも、ブースター接種を含むワクチン接種を推奨すると明らかにした。既存のワクチンはデルタ株に対し有効性を示したため、今回もその可能性が期待できるという。
南アフリカ政府は25日、遺伝子配列の解析によりオミクロン株を特定したと発表。欧州をはじめ、世界各地で急速にひろがりを見せるなか、米国はアフリカ南部8カ国からの渡航者の入国を29日から原則禁止するなど、各国は入国規制などの対応を急いでいる。
岸田首相は29日午前、オミクロン株について「さらなる水際対策の強化について検討を行っている。しかるべきタイミングで発表したい」と述べた。日本は28日から、南アフリカなど9カ国からの入国者を対象に水際対策を強化している。
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