「まるで中共」中国系住民、米司法当局の批判的人種理論めぐる対応を非難

2021/10/16
更新: 2021/10/16

文化大革命を実際に経験したという中国から移住した女性、シ・ヴァン・フリート(Xi Van Fleet)さんはこのほど、批判的人種理論(CRT)をめぐって、全米教育委員会連合(National School Boards Association)と米司法省が「親たちが声を上げるのを阻むために、中国共産党と同じ戦略を使っている」と強く批判した。米FOXニュースが14日、伝えた。

ここ数カ月、米国の教育関係者と保護者の間で、批判的人種理論を巡って論争が繰り広げられている。一部の保護者は、この理論はマルクス主義に由来し、逆に人種差別や対立を助長する可能性があるとして、学校教育の現場に導入しないよう強く求め、各地で抗議活動を行っている。

フロリダ州、ユタ州、アイダホ州などの州政府は公立学校に対して、批判的人種理論に関する授業を禁止した。

批判的人種理論は、米国社会は人種差別に基づいて構築されており、白人はこの人種差別から恩恵を受けていると主張する。米国の法学者が1970年代に同理論を唱え始めた。同理論の下で、米国の白人は「人種差別主義者」と見なされ、批判を受けている。

今年6月、ヴァン・フリートさんは同氏が住むバージニア州ラウドン郡の教育委員会の会議で、批判的人種理論を学校の授業で教えることについて強い懸念を抱いていると訴えた。

いっぽう、保護者の抗議活動は学校関係者への脅迫行為と捉えられるようになった。

FOXニュースによると、メリック・ガーランド司法長官は、学校職員に対する嫌がらせや暴力が増えているとし、「公務員に対する脅迫は違法であるだけでなく、わが国の基本的価値観に反するものでもある」と述べた。

長官は今月初め、学校関係者に対する犯罪行為を起訴するために「連邦政府の法執行手段」の利用ができないか検討する、特別チームを立ち上げると発表した。

共和党の上院リーダー、ミッチ・マコーネル院内総務は司法長官の発言を非難し、保護者の抗議活動は「脅迫ではなく、民主主義である」と反論した。

全米教育委員会連合は、ガーランド司法長官の発表の数日前に、「(保護者による)脅迫や暴力は、ある種の国内テロリズムに相当する可能性がある」との見解を示した。

ヴァン・フリートさんは、「私が中国にいた時、学校生活はすべて文化大革命の中で過ごした。だからこそ、私は共産主義の国民を分断する戦術や、共産主義者がいかにして中国の伝統的な文化や遺産を破壊したかもよく知っている」とFOXニュースに語った。

同氏は、中国の文化大革命が「今、米国でも起きている」と指摘した。

ヴァン・フリートさんはこのほど、隣の郡であるフェアファックス(Fairfax County)の保護者の抗議活動に参加し、司法省の対応に反対の意思を示した。

「次は何が起きるのか。次は天安門事件のような弾圧でも起きるのだろうか。子どもたちの未来のために声を上げる親たちは命の危険にさらされるかもしれない」

FOXニュースの報道によると、保護者らは司法当局の対応に不安を募らせている。ヴァン・フリートさんは、保護者らに子どものために勇気を持って戦い続けることを呼びかけた。

(翻訳編集・李凌)