レアアースの脱中国依存 EU、アフリカでの供給体制確立に2190億円投資 

2021/10/01
更新: 2021/10/01

欧州連合(EU)は、ハイテク製品に使われるレアアース(希土類)の中国依存を減らすために、アフリカ大陸で独自の供給体制の確立を計画している。

ブルームバーグ9月30日付によると、欧州原材料アライアンス(European Raw Materials Alliance、ERMA)が30日に発表した計画は、EU加盟国政府と製造業企業に対して、補助金と販売割当を組み合わせることで、レアアースの採掘と加工の支援を呼びかけた。

ERMAは、アフリカで鉱山開発や磁石製造、回収まで14のプロジェクトを特定し、約17億ユーロ(約2190億円)の投資が必要だとした。

欧州委員会は昨年9月、重要な原材料の戦略的な確保を目指すためERMAを設立した。

同報道によれば、欧州委員会による重要なサプライチェーンと重要技術に関する調査では、EUはグリーンとデジタルへの産業構造転換において海外依存度が高いと示した。EU当局者は声明で「EUは永久磁石とその材料となるレアアースの輸入を主に中国をはじめとする他国に依存している」とした。

レアアースは携帯電話や電気自動車などハイテク製品だけでなく、軍需・防衛産業でも不可欠な物資である。近年、レアアースの主要産出国である中国が、レアアース市場の支配を強めており、欧米各国に対して複数回、輸出規制の可能性に言及したため、各国は中国以外の供給先の確保を急いでいる。

米国のトランプ前大統領は昨年9月30日、レアアースの中国依存は「国家の緊急事態」と宣言し、中国依存の低減と自給拡大を目指す大統領令に署名した。

今年3月に開催された日米豪印4カ国の連携枠組み、クアッドの首脳会談では、各国の首脳はレアアースや半導体を含む重要部材の中国依存脱却と安定供給に関する作業部会を設置することで合意した。

(翻訳編集・張哲)