河野太郎ワクチン担当相は17日、自民党総裁選の所見演説発表会で自身の政策を発表した。前半部分ではワクチン接種や行政改革などの業績についてアピールし、後半では気候変動と再生可能エネルギーの活用、年金改革、キリスト教に基づく欧米諸国の民主主義とは異なる外交政策を打ち出した。なお、防衛政策や中国共産党の脅威については言及しなかった。
河野太郎氏は自身が担当するワクチンについて、一日に百万回の接種にとどまらず、最速の日には160万回の接種が行われたと強調。コロナの検査キットが普及すれば社会が変わり「コロナ対応を河野太郎に任せていただきたい」と聴衆に訴えた。
気候変動については、蓄電池や送電網の整備、洋上発電、太陽子発電などの再生可能エネルギーの普及を進める考えを示し、「(再生可能エネルギーで)いつかこの国のエネルギーの100%を回すことも絵空事ではない」と語った。
年金の改革にも意欲を示した。「今の制度でマクロ経済スライドを発動したら、将来もらえる年金の金額は一体いくらになるのか」と投げかけたうえで、「守るべきは、年金制度ではない。守るべきは将来の年金生活だ」と強調。年金に係わる議論を深め「年金生活を守るための年金」を作ることが急務だと述べた。
河野太郎氏は外交について、国際社会がコロナにより分断され、民主主義国家と独裁国家の二つのグループができていると述べた。日本はG7諸国のなかでも唯一キリスト教文明を背景としない民主主義国家であり、外務大臣時代は「アジアや中近東やアフリカの諸国の声を代弁」してきたと述べた。そして、すべての国は同じペースで民主主義へと歩めるわけではないため、日本は「よちよち歩き」の国にしっかりと寄り添っていくべきだと主張した。
(王文亮)
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