16日、中国共産党軍の戦闘機が、台湾の防空識別圏(ADIZ)に過去最大規模の侵入を行ったと報じられた数時間後、米国の東アジア・太平洋担当国務次官補に指名されているダニエル・クリテンブリンク(Daniel Kritenbrink)氏は、「米国はあらゆる分野で台湾との関係を発展させるべきだ」と議会で述べた。
クリテンブリンク氏は、中国からの圧力に直面する台湾について、米国は「確固たる義務」を果たす決意を示すべきだと述べた。さらに、台湾との関係発展は「私たちに課せられた責務だ」と強調した。
15日、台湾国防部は、中国軍機「殲16」など合計28機が防空識別圏に侵入したと発表した。台湾南西部から侵入を試み、南部のバシー海峡の上空を通り、中国本土に戻った。主要7か国首脳会議(G7サミット)の共同声明において、「台湾海峡の平和と安定の重要性」が記されたことに対する反発とみられている。
クリテンブリンク氏は30年あまりの外交経験を積むベテランで、外交官として中国やベトナム、日本に勤務したほか、国務省および米国家安全保障会議(NSC)で要職を歴任した。 3月下旬にバイデン大統領の指名を受け、上院外交委員会の公聴会で承認されれば、国務省の東アジア・太平洋地域担当の国務次官補に就任する。
クリテンブリンク氏は公聴会で、「中国からの脅威が増大し、台湾に対する攻撃的で意地悪な行動が増大するにつれ、私たちの対応も調整していかなければならないだろう」と述べた。同氏はまた、中国を「地政学的に最大の挑戦」と表現した。
新疆ウイグル自治区における少数民族に対する「ジェノサイド」について、中国共産党指導者に責任を追及する措置を継続すべきだと述べた。
(佐渡道世)
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