米政府は、世界的な半導体不足を引き起こしているサプライチェーン(供給網)の問題を踏まえ、同盟国や地域と連携し、主要産業分野におけるサプライチェーンの構築に取り組むとしている。
日本経済新聞23日付は、ジョー・バイデン米大統領が早ければ2月末にも、日本、韓国、台湾、オーストラリアなどの同盟国と協力して半導体などの基幹部品のサプライチェーンを構築し、中国依存からの脱却を加速させるための大統領令に署名すると報じた。
大統領令の下、米政府はサプライチェーンの国家戦略を策定し、災害や敵対国からの制裁による被害を軽減するために、同盟国と協力し、より強固で回復力のあるサプライチェーンを構築するとしている。
また、関連施策としては、半導体、電気自動車用バッテリー、レアアース(希土類)、医薬品などの重要部材のサプライチェーンに焦点を当てている。半導体分野では台湾、日本、韓国と、レアアースでは、オーストラリアなどアジア太平洋経済圏との連携を図る見通しだ。
具体的には、米政府は重要な製品のサプライチェーンの情報を同盟国と共有する。生産品目の相互補完に加えて、緊急時に迅速な相互調達が可能な仕組みや、余剰能力や在庫の問題についても検討する。中国との貿易削減が求められる可能性もあるという。
米政府は、自動車業界の世界的な半導体不足に対処している。バイデン大統領は、主要製品のサプライチェーンの包括的な評価を実施するよう、すべての政府部門に指示する行政命令に今後数週間のうちに署名する予定だと、ホワイトハウスのサキ報道官は2月11日の記者会見で述べた。
世界的な半導体不足
テレビからスマートフォン、自動車から電子機器に至るまで、多くのメーカーが世界的な半導体不足に悩まされている。昨年12月、世界1位、2位の自動車部品メーカーであるボッシュ(Bosch)とコンチネンタル(Continental)は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の発生による半導体供給への打撃や、通信用電子機器や携帯電話の需要急増により、半導体不足が2021年まで続く可能性があると発表した。
自動車メーカーは半導体不足で大きな打撃を受けている。複数の報道によると、ドイツのペーター・アルトマイヤー(Peter Altmaier)経済エネルギー相は1月末、台湾政府に協力を求める書簡を出した。書簡の中で、世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)に車載用半導体の増産を要請した。ドイツのほか、米国や日本も外交ルートを通じて、台湾政府に支援を要請したという。
TSMCは茨城県つくば市に日本初の本格的な開発拠点を設ける計画を進めている。投資額は200億円規模。
バイデン氏は、世界的な半導体不足について議論するため、24日にホワイトハウスに超党派の国会議員を招待すると、米ブルームバーグが情報筋を引用して報じた。同氏は、半導体などの主要製品のサプライチェーンを強化するための大統領令に署名する見通しという。
(翻訳編集・王君宜)
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