フランスの在留邦人が2月10日、パリ市内で強酸性の液体による攻撃を受けたことが、在フランス日本国大使館の領事メールにより判明した。同国内にて傷害事件が多発していることから、邦人に対し警戒を呼びかけている。いっぽう、容疑者が逮捕されたとの情報は入っていない。
在フランス日本国大使館によると同日夕方、パリ17区を邦人被害者が友人と3人でいたところ、フードをかぶり下を向いて歩いてきた3人組(男女の別不明)からいきなり顔に向けて液体をかけられた。
不審なグループだったため注意していたが、グループのうち一人が液体の入ったボトル(工具店などで普通に購入できるもの)を取り出した。被害者らは瞬間に危険を察知して手で顔をガードした。顔には液体がかからなかったが、掌に火傷を負った。
被害者らはすぐにその場から避難した。その後、医者の診断を受けたところ、火傷は塩酸によるものであることが判明した。仮に顔(特に目など)にかかっていた場合、失明など取り返しのつかない事案に発展していた可能性があったという。
フランスでは近年、暴力事件が相次いで発生している。在フランス日本国大使館はこれまでにも、パリ市のメトロで発生した硫酸による襲撃やアジア人を対象にした暴力行為「アジア人狩り」、少年に対する集団暴行事件について周知させている。
こうした犯罪に巻き込まれることがないよう、在フランス日本国大使館は、「公共交通機関を利用したり屋外を移動する場合は、周囲の状況に常に注意を払い、人の少ない場所・時間帯を避けて複数で移動し、不審者・グループが近づいてきた際にはすぐにその場を離れる等、身の回りの安全に十分注意して」と注意喚起をしている。
(文亮)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。