フランスのパリ警察当局は9日、同市在住の男性法輪功学習者と家族が、中国出身者とみられる男らに襲撃された事件の捜査を始めると明らかにした。
法輪功学習者の王さんは6日午後、車で市内を走行中、前方の車両が突然止まり車から降りてきた30代とみられる男が、金属棒で王さんの車の窓ガラスを叩いた。棒は金属の窓枠に当たり、窓ガラスは割れなかった。
王さんは全世界脱党支援センターのボランティアスタッフを務めている。王さんの車の屋根には、「打倒中共悪魔」「中共は中国を代表しない」などのスローガンを中国語とフランス語で書いた看板が取り付けられている。
「その後、車に戻った暴漢ともう一人の男は窓ガラスを降ろして、中国語で罵り始めた。私は彼らに中国共産党の協力者にならないよう説得した。彼らは私の車の上にある看板を指さして『あなたはこれを広めている。だからあなたを殺す』と暴言を吐いた」
王さんは、「自由社会のフランスの首都で、中国共産党の協力者に襲われるとは予想もしなかった」と述べた。車には王さんの母親と4歳の息子が同乗していた。
中国共産党政権は1999年7月、伝統気功グループの法輪功が国内で絶大な人気を博し、学習者の人数が急拡大したことが政権への「脅威だ」と見なし、弾圧政策を始めた。王さんと両親も迫害を受けた。
「母は6回も、刑務所に拘禁され、残酷な拷問を受けた。両親は拘束されないよう、地元を離れ他の都市に行ったこともあった。警官らは、高校生だった私に両親の居場所を吐かせるために、殴る蹴るの暴行を加えた」
車の上に取り付けた看板は、「依然として多くの中国人が共産党に騙されている。中国人もフランス人も含めて、共産党の本質をより多くの人に知ってほしい」からだと王さん述べた。
警察当局は、男らが運転する車をすでに特定したという。
フランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)が9月発表した、中国共産党の浸透工作に関する報告書は、中国当局は世界各国の中国系住民を党の方針に従わせるように、「越境弾圧」を行っていると指摘した。
報告書は、中国当局は海外の華僑の個人情報を収集しており、当局に批判的な華僑、海外に亡命した民主化活動家、法輪功学習者らに対して監視、脅迫、嫌がらせをし、中国国内に残っている親族へ圧力をかけるなど抑圧を強めているとした。
(翻訳編集・張哲)
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