文在寅政権、香港問題で「中国批判を拒む」経済報復を恐れる

2020/08/24
更新: 2020/08/24

トランプ米政権が欧米各国や他の同盟国に対して、中国共産党政権への対抗を強めるよう呼びかけている中、韓国文在寅政権は中国批判を避けている。遼寧省政府の内部通知は、中国当局が韓国側に特別措置を与え、経済利益で懐柔していることを明らかにした。両国の外交トップは8月21日、習近平国家主席の早期訪韓について会談した。

米誌「ナショナル・インタレスト」電子版は7月27日、トランプ政権は韓国政府に対して、中国共産党に対抗するよう強く求めていると報じた。同盟国である韓国の文在寅政権は、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や他の中国企業への半導体の販売禁止について、反対する姿勢を示している。同誌によると、中国当局が香港国家安全維持法を強制的に導入したことについても、文政権は「中国の政策を非難することを拒んでいる」という。

現在、中国は、韓国の最大の貿易相手国であり、最大の輸出先と最大の輸入国となっている。同時に、韓国は中国にとって、3番目の貿易相手国だ。中韓自由貿易協定(FTA)は4年前から実施されている。

遼寧省政府の内部通知は、中国と韓国の経済的結びつきが非常に深いことを浮き彫りにした。中共ウイルス(新型コロナウイルス)の大流行にもかかわらず、中国当局は韓国企業の社員に対して、入国後の防疫措置を免除した。

遼寧省当局は5月18日、省内の各市・県などに対して「中韓間の重要な商務・物流・生産および技術サービスの人材往来のための『エクスプレス通路』についての暫定管理に関する通知」を送った。大紀元は同通知を入手した。

通知によると、「国際提携を強化し、生産活動の再開に協力するため、中国と韓国の両政府が合意した上」で、中国当局は「中韓間の重要な商務・物流・生産および技術サービスの人材往来のための『エクスプレス通路』の実施方案』を批准した。対象の重点は、「操業再開において、人材の需要が差し迫っている重要な産業チェーンやハイテクプロジェクトだ」という。

中国企業などに招かれた韓国人ビジネスマンについて、中国に入る前までの72時間に、韓国で少なくとも1回のPCR検査を受けて陰性で、さらに中国入国時に1回のPCR検査および血清抗体検査を受けて、再び陰性になった場合、入国後の14日間の隔離措置から免除される。

韓国は、中共ウイルスの大流行の中で、中国当局のこの待遇を受けた初めての国だ。

一方、8月1日、中国-韓国経済共同委員会第24回会議は中国山東省の青島市で開催された。中共ウイルスの感染が収束していないにもかかわらず、両国の政府関係者は、オンライン会議ではなく、対面による会合を行った。

欧米諸国が中国当局の巨大経済圏構想「一帯一路」について、沿線の途上国を中国の影響下に置き、「債務の罠」に陥れると批判しているにもかからず、韓国側は「一帯一路」構想への支持を表明した。中国共産党機関紙・人民日報によれば、同日の会談で、中韓両国の代表団は、「中国の『一帯一路』戦略と韓国の『新南方政策』と『新北方政策』とのマッチングや協力を引き続き積極的に推進していくことで意見が一致した。また、双方は今後、中韓FTAの第2段階交渉を積極的に進めていくと合意した。

大紀元が取得した黒龍江省大慶市の内部資料は、2月に中共ウイルスの感染が拡大する中、韓国企業が中国当局による海外医療物資の大量調達に協力したことを明らかにした。

「韓国の西進株式会社の千会長、CDQ GOLBAL会社の王氏などを含む企業や個人は使い捨ての防護服800着を寄付した。総額は18万6000元。2月4日午後、大慶市出身で韓国に留学中の学生が、これらの防護服を持ってハルビン空港に到着した。同日午後5時20分、800着の防護服は大慶市の倉庫に保管された」

さらに、内部資料によると、大慶市が防護服を調達するのに、韓国企業は中国上海市や丹東市、香港とフランスにある現地企業4社への問い合わせに協力した。そのうち、丹東市の企業は10の生産ラインを持ち、一日の生産量は7万着だという。

中国共産党中央政治局委員で外交トップの楊潔篪氏は8月21日、韓国釜山に到着し、韓国の徐薫(ソ・フン)・国家安保室長と会談した。両政府は、習主席の訪韓について「新型コロナウイルスの状況が安定し、条件が整い次第、早期に実現する」ことを合意した。

2016年、北朝鮮のミサイル脅威を念頭に、在韓米軍は最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を配備すると発表した。これを受けて、裏で北朝鮮を支配する中国当局は2017年以降、韓国への団体旅行ツアーの販売や、韓国芸能人の中国での活動を禁止し、韓国産製品の輸入規制措置を実施するなど、厳しい報復措置を行った。中国当局は、国民に対して、THAAD配備で場所を提供したロッテグループが中国で展開するスーパーマーケット、「ロッテマート」へのボイコットを動員した。また、中国当局の報復措置で、ロッテマートの99店舗のうち、87店舗が一時営業停止となったと報じられた。

文在寅政権は、韓国経済が再び打撃を受けることを懸念し、中国批判を避けているとみられる。文在寅氏は大統領選の選挙活動中、THAAD配備に反対する立場をとっていた。

(翻訳編集・張哲)

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