米情報当局の新たな分析によると、中国共産党はドナルド・トランプ大統領が11月に再選されないことを望んでいるという。
米国家防諜・安全局のウィリアム・エバニーナ局長は声明の中で、「中国は、行動が予測不可能なトランプ大統領が再選されないことを望んでいると我々は分析しています」と述べた。
中国共産党は、米国の選挙や政策論争に影響を与えようと懸命だ。党指導部が中国の利益に反すると見なす米国の公職者や候補者に圧力を加えている。
ヒューストンの中国領事館を強制閉鎖するなど、対中強硬姿勢を強めているトランプ政権に対する中国の批判が高まっていると、エバニーナ氏は話した。
「中国は攻撃的な行動のリスクと利益を引き続き検討していますが、過去数カ月間の中国の公の発言では、トランプ政権の中共ウイルス(新型コロナウイルス)への対応、ヒューストン中国総領事館の閉鎖、そして他の行動に対してますます批判的になっています」と彼は言う。
「例えば、香港、TikTok、南シナ海問題、5G市場を支配しようとする中国の努力に対するトランプ政権の声明や行動を厳しく批判しています。中国政府は、これらすべての取り組みが大統領選に影響を及ぼす可能性があると認識しています」
この数カ月間、トランプ政権は、中国共産党がもたらす安全と自由に対する一連の脅威に対処する行動を加速させてきた。これらの行動には、新疆における人権侵害や香港における自由の破壊に関与した当局者への制裁、そして、米国企業または個人がTikTokの親会社やWeChatと取引することを、国家安全保障上の理由から禁止したことが含まれる。
一方、大統領候補のジョー・バイデン氏も中国に対して強硬姿勢を示しており、パンデミックの初期には、トランプ氏を「中国の言いなりになっている」と非難する選挙広告を出していた。
トランプ氏とバイデン氏の両陣営は、コメントに応じなかった。
一方ロシアについて、情報当局は、ロシアがさまざまな手段を使って、民主党大統領候補に指名されるであろうバイデン前副大統領を中傷しているという。
「このことは、オバマ政権のウクライナ政策における役割とロシア国内の反プーチン派を支援したため、副大統領時代のロシア政府からの批判と一致している。」とエバニーナ氏。話した。
「例えば、親ロシア派のウクライナ国会議員であるAndry Derkach氏は、電話内容をリークするなど、バイデン氏の汚職疑惑を広め、バイデン前副大統領の選挙活動と民主党を弱体化させようとしています。ロシア政府と関係のある者も、SNSやロシアのテレビでトランプ大統領の選挙活動を後押ししようとしています」
中国が2016年にトランプ氏を支持したのか、それともライバルのヒラリー・クリントン氏を支持したのかは明らかではなかった。プーチン大統領は2018年、2016年にトランプ氏に勝利してほしかったと述べている。
情報機関によると、イランは11月の選挙に先立ち、トランプ氏と米国の機関を弱体化させ、米国を分割しようとしているという。
この分析によると、イランはSNS上での偽情報の拡散など、オンライン上での取り組みに力を入れる可能性があるという。中国とロシアもインターネット上で悪質な行動を起こしている。
「イラン政府がこうする理由の1つは、トランプ大統領が再選されると、イランでの政権交代を促すために米国が引き続きイランに圧力をかけると考えているからです」とエバニーナ氏は述べた。
マルコ・ルビオ上院情報委員会会長代理(共和党、フロリダ州)と、同委員会の幹部であるマーク・ワーナー氏 (民主党、バージニア州)は共同声明を発表し、この分析は「米国の選挙に対する中国、ロシア、そしてイランからの深刻かつ継続的な脅威を浮き彫りにしている」と述べた。
共同声明ではまた、「投票権を持つすべての国民、地方政府関係者、議員は、こうした脅威を認識する必要がある。そして私たちは皆、外部の者が選挙に干渉したり、政治に影響を及ぼしたり、民主主義制度への信頼を損ねる行為を防ぐよう努力すべきだ」と付け加えられた。
さらに、議員が情報機関からの情報を 「兵器化」 することを控えるよう求め、そうすることは単に「我々を分断しようとしている敵対国」の手助けになっているだけだと主張した。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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