中共ウイルス(新型コロナウイルスとも呼ぶ)をめぐり、中国政府は情報操作を活発化させている。イタリアの複数のメディアは、中国外務省報道官による「イタリア人は中国からの医療資源の支援に感謝し中国国歌を歌う」という話は、作り話だと指摘した。
3月15日、華春瑩外務省報道官は人民日報の報道を引用して、ツイッターで「ローマで中国国家が歌われている。イタリア人は『ありがとう、中国』と叫んだ。私たちは苦楽を共にする仲だ」と書き込んだ。 2月に新任した趙立堅報道官もまた、イタリア国内の映像を添付して、同様のツイートを行った。
In Rome, with the Chinese anthem playing, some Italians chanted “Grazie, Cina!” on their balconies, & their neighbors applauded along. Against #COVID19, humanity lives in a community with a shared future! Italy is a heroic nation. At this trying moment, Chinese #StandWithItaly! pic.twitter.com/S0hdVQTqzG
— Lijian Zhao 赵立坚 (@zlj517) March 15, 2020
イタリアのメディア「Money.it」は、動画を分析して、バルコニーに立つ人は該当のセリフを言っておらず、拍手はしているが、中国国歌は加工して後付けされたものだと指摘した。
現地メディア「Linkiesta」もまた、中国外務省報道官の書き込みを引用して「イタリア外相ら閣僚は、中国に偽ニュースを広めるのをやめさせなければならない」と伝えた。
「ll Foglio」紙は社説のなかで、中国は最近イタリアに対してマスクや人工呼吸器の追加購入を促しているとした。さらに中国が、流行初期の対応にあたった専門家を派遣する計画について、「政治的宣伝」であり、「これは北京のプロパガンダで、伝染病と戦うための『中国グローバルモデル』の輸出だ」と指摘した。
中国共産党政権は海外のソーシャルサイトやメディアで、ウイルスの発生源不明説、中国対応の称賛説を展開している。これについて、米左派メディアのCNNも「中国政府は数万人の感染者を出している中共ウイルスの発生源を疑わせるプロパガンダキャンペーンを開始した」と伝えた。
趙立堅報道官は12日、ツイッターで「中共ウイルスの発生は中国とは限らない」「米軍が持ち込んだものだ。米国には説明責任がある」と書き込んだ。これに対して、共和党の米議員たちは、趙報道官を「道化師」と批判し、米軍持ち込み説を一蹴した。
トランプ米大統領は17日、「米国は『中国ウイルス』の影響を受けた航空各社など企業を手厚く支える」との発言で「中国ウイルス」の表現を使用した。ポンペオ国務長官も、言葉だけでは起源のわからないCOVID-19よりも「武漢ウイルス」と呼ぶ、と明言している。
(翻訳編集・佐渡道世)