凄腕ハッカー、北朝鮮ラジオの電波をジャック 80年代ロック名曲放送

2017/11/13
更新: 2017/11/13

匿名のハッカーはこのたび、北朝鮮の短波ラジオを乗っ取り、80年代のロックの名曲を放送した。北朝鮮はラジオは暗号放送で労働党指導部からの指示を送っていると米コンサル企業が指摘している。

「6400kHz(北朝鮮の放送局)を乗っ取って、『ファイナル・カウントダウン』を放送した」。乗っ取りについて、自称・自警ハッカー集団「ジェスター」がTwitterに11日投稿し、声明を出した。同時に、その録音放送も公開した。同曲は80年代、スウェーデンのロックバンド「ヨーロッパ」のヒットソング。

ジェスターは以前、イスラム過激派組織のサイトをハッキングしたり、ロシア外務省のページを書き換え「アメリカ人を攻撃するのは止めろ」といったメッセージを載せたりしている。

米戦略コンサル企業「ストラテジック・センチネル」はかねてから、北朝鮮は頻繁にミサイルや核実験の前に、ラジオで暗号化した指示やメッセージを送っていると指摘している。「暗号放送は威嚇行動のサインと見なすことができる」と10月23日、同社はTwittterでコメントした。

ストラテジック・センチネルによると、6回目の核実験の前々日、初のICBM発射実験の前日、2度の日本海に向けたミサイル発射実験の前日にも、暗号放送を確認しているという。

日本でも大型匿名投稿サイト「2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)」に今年5月13日夕方、北朝鮮のAM放送の暗号放送を解読したとする匿名の人物が、翌日早朝のミサイル発射と時刻を示すような内容を書き込んだ。翌14日早朝、北朝鮮当局はミサイルを発射した。

ジェスターの行為に対して、「これは好みの冗談だ」「金正恩はこれになんて答えるだろうか」と、Twitterでは乗っ取り行為を笑う書き込みが相次いだ。しかし、ストラテジック・センチネルの分析どおり、自警団を自称するハッカーたちが北朝鮮の威嚇行動の妨害を試みたとも考えられる。

北朝鮮の威嚇行為は、日本などアジアの米国同盟国および米国に対して引き続き脅威を与えているが、国連制裁の影響がみえる。北朝鮮当局は最近、軍部に食糧を国民から徴収するよう命じた。

米トランプ大統領の11月アジア歴訪では、北朝鮮問題の解決策について各国首脳と会談した。日本の安倍総理大臣や中国の習近平国家主席との話合いでは、北朝鮮の非核化に向けて協力することを再確認した。

トランプ氏は習近平氏との会話で「この悪質な政権が核兵器を使って世界を脅かすことができないように、すべての国家が集結しなければならない」と述べた。習近平氏は「核問題において、我々は半島の非核化と国際的な非拡散の約束を再確認した」と述べた。

トランプ大統領は12日、ツイッターで、APECにてロシアのプーチン大統領と会談したことにコメントした。シリア問題と並べて「彼(プーチン氏)の協力が、中国と共に北朝鮮危機の解決に繋がると良い。ことは進んでいる」と述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連特集: 緊迫の朝鮮半島