[東京 15日 ロイター] – 北朝鮮は15日朝、日本上空を通過する弾道ミサイルを再び発射した。ミサイルは首都・平壌付近から東へ約20分間飛行し、襟裳岬の東方約2200キロの太平洋上に落下した。飛距離は前回8月29日発射時より約1000キロ延びており、方角を変えれば米領グアムに届いた可能性がある。
インドから帰国したばかりの安倍晋三首相は同日朝、官邸で記者団に「再びこのような暴挙を行ったことは断じて容認できない」としたうえで、「今こそ国際社会の団結が求められている」と語った。
さらに国連安全保障理事会の緊急会合の開催を要請する考えを明らかにした。日本政府は国家安全保障会議(NSC)を開き、安保理で新たな対応が必要との方針を確認した。
ミサイルは日本時間午前6時57分、首都平壌近くの順安から発射。韓国軍によると、最高高度は770キロ(日本政府は800キロと推定)、飛距離は3700キロだった。北朝鮮からおよそ3400キロに位置するグアムに届く能力を示したことになる。
日本政府によると、ミサイルは襟裳岬の東方2200キロの海上に落下した。米軍は中距離弾と発表。河野太郎外相は記者団に大陸間弾道弾(ICBM)だった可能性を示唆したが、小野寺防衛相は中距離弾だったと述べた。
北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過したのは、8月29日以来6回目。前回は飛距離2700キロ、最高高度は550キロだった。
北朝鮮は9月3日に6回目の核実験を実施。国連安全保障理事会は11日、北朝鮮に対する原油や石油製品の輸出制限を含む新たな制裁決議を全会一致で採択した。これに北朝鮮は強く反発していた。日米韓など各国は新たな挑発を警戒し、安倍首相はインドから日本への帰国時間を繰り上げていた。
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