【大紀元日本8月24日】北アフリカのリビアでは22日夜、反体制側勢力が首都トリポリをほぼ制圧し、カダフィ政権の終局に早くも市民から歓声が上がっている。変革と騒乱の最中のリビア情勢を受け、中国は、石油投資を保護するよう、リビアに迫っている。
中国の商業部(経済産業省に相当)文仲亮・外国貿易局副局長は23日、リビアの新政府が中国の投資を保護するよう求めた。
これは、リビア反体制派が掌握する国営石油企業AGOCOの広報担当者が、現政権崩壊後の石油利権について、今回の内戦で中立的立場を示していた中国およびロシア、ブラジルは将来的に「政治的問題」が発生する可能性があり、権利を優遇しないとの見方を示したのを受けたもの。
中国は2009年までに計4300億元(約5兆1600億円)もの莫大な投資をリビアに行っている。中国国営新華社通信によると、中国はリビア国内のインフラや石油など50のプロジェクトに関係しており、多くは道路、建築などのインフラ事業だ。中国が昨年輸入した原油の3%は、リビアからのものである。
首都トリポリを中心に、リビアでは今週初めから再び騒乱が活発になっていることについて、中国外務省の馬朝旭報道官は22日、短い声明の中で、「リビア国民の選択を尊重する。安定が戻って人々の生活が正常になるよう望む」と述べるにとどまった。声明では、カダフィ大佐や、反体制派の国民評議会(NTC)のことについては触れていない。
中国で最大の石油とガス田開発企業・中油長城鑽井有限責任公司(GWDC)は、「政治的不安定」を理由に、リビア、シリア、ニジェールとアルジェリアで6つの大型プロジェクトを停止している。プロジェクトの詳しい情報は明らかにされていないが、中国国内報道によると、損失額は2億ドル(160億)とされている。
中国は、リビアへの石油関連の投資は「両国の相互利益である」とし、引き続きリビアとの経済協力と投資を行うとの見方を示している。
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