土屋都議、中国・人権弾圧に言及=東京都議会定例会

2008/10/04
更新: 2008/10/04

【大紀元日本10月4日】東京都議会第3回定例会本会議で、民主党の土屋たかゆき都議が9月26日、一般質問に立ち、石原慎太郎東京都知事に対し、北京五輪における訪中や、東京オリンピック招致などについて提言した。

土屋都議は、知事が北京政府の招待で訪中したことについて、それまでのボイコット姿勢から一転した態度は理解できないとし、多くの都民も驚いていると述べた。また、中国の人権状況にも言及し、「チベットですさまじい略奪・暴行・虐殺が展開され、なんと人口の2割にあたる120万人のチベット人が殺されています。また、気功集団・法輪功への弾圧は熾烈を極め、理由なき逮捕、拷問により多くの人の命が奪われています。その上、法輪功を含め、年間4000人に達する死刑囚からまだ生きているうちに臓器が摘出されているという指摘もあります」と、共産主義体制による人権弾圧を批判した。さらに、オリンピック開会式での数々の偽装も理由に挙げ、このような共産主義者となぜアジアのために連携できようか、と知事に詰問した。

これに対し石原知事は、「東京五輪の志を世界に披瀝する格好の場所であるからこそ、開会式にも出席し、いろいろな人に会って話をした。私はむこうで何の譲歩などもしていない。中国に関するさまざまな問題はこれまでも十分批判をし、言うべきことを言ってきた。これからも言っていくことは当然だ。ならばこそ、非常にやっかいな隣人の実情を、自らの目でその場で確かめてくる必要が政治家にはあるのではないか」と答弁し、北京市長には中国の環境問題について提案したとしたが、人権問題についての言及はなかった。

土屋都議は一般質問終了後のインタビューで、次のように述べた。「法輪功への弾圧は国際的にかなり取り上げられている。しかし残念なことに、日本の国会でも地方議会でも、具体的に取り上げた議員はいない。法輪功への弾圧が現実に行なわれている、虐殺も行なわれている、生きたまま臓器を摘出されている法輪功の人もいるということについて、テレビや東京都の便りで全都に流れるため、その意味で取り上げた。本当のことを言うのが政治家の仕事。日本の政治家は外国に比べて、自分の考えや信念に忠実ではなく、事実について隠そうとする。北京五輪はいろいろ問題があったが、本当のことは本当だと国民の皆さんに伝えることが必要だ。それが中国の民主化の後押しにもなり、一日も早く牢獄につながれている人が解放されるよう中国の人達と努力していきたい」。

(記者・井川)