米宗教自由年度報告:特に注意すべき国家に、中国ランクイン

2007/09/18
更新: 2007/09/18

【大紀元日本9月18日】米国務院は9月14日に、世界200カ国および地区に関する宗教自由調査年度報告を発表し、「特に宗教自由活動を深刻に拘束した」国家を「特に注意すべき国家」に定めた。今回の報告に指摘された国々の中に、中国は再度ランクイン。そのほかに、エリトリア、イラン、イラク、サウジアラビア、北朝鮮、ミャンマー、スーダン、ウズベキスタンも挙げられた。

報告によると、過去1年間、イラク境界内での戦乱は人々が自己の信仰を実践することを妨げたとし、ムスリム宗派の暴力は宗教礼拝の条件を悪化させ、エジプトの信仰自由が「後退」現象をもたらしたと指摘した。

一方、1999年以降、中国は毎年「特別に注意すべき国家」に定められた。それ故、米国は中国へ犯罪に関わる制御および検査測定の機器や設備の輸出制限を行った。また、2006年、米ブッシュ大統領、ライス国務長官および米駐中国大使はそれぞれが胡錦濤・中国国家主席および上層幹部との会談で信仰自由の問題を提起したと示した。

報告は、中国憲法の規定では、中国公民は宗教信仰自由を有するとなっているが、実際、中国共産党(中共)政権は宗教自由および良心自由に対する尊重は依然として悪いと指摘した。また、中国憲法は宗教信仰活動使権の保護を中共が定義した「正常」範囲内に制限し、宗教団体および事務は「如何なる外国の統治を受けない」と定めたことに言及した。故に、中国国内のカトリック教区の主教は中共が任命し、中国の法律でも宗教信仰の公開宣伝は禁止している。2006年9月、中国国境警備隊が国境を越えようとする17歳のチベット人尼僧を射殺したことから、国際社会の非難を浴びた。また、2007年の春、当局は100人以上の宣教師を追放した。政府が許可した信仰およびやり方のみが正常または合法的信仰になると指摘した。

報告の中で、中共政権は一部の地下教会および法輪功(Falun Gong=ファールンゴン)を「邪教」に定めたが、これまでに定められた基準を公開したことはないとし、中共が認可しない如何なる団体を任意に「邪教」に指定することができると指摘した。

1999年より、法輪功学習者は中共に拘束、勾留、監禁され、一部の学習者は拷問および虐待によって死亡した報告も出ている。学習者が自己の信仰を変えなければ、刑務所、強制労働収容所、司法権限外の所謂「法律教育センター(別称:洗脳班)」で拷問と虐待を受けるとし、さらに、「610弁公室」(法輪功を弾圧する専門機関)では、法律の拘束を受けない人道に反する手段で学習者を弾圧すると指摘した。

一方、法輪功のために公開弁護を行った高智晟・弁護士は、2005年12月に胡錦濤・国家主席に宛てた公開書簡の中で、法輪功学習者が拷問・虐待を受けている事実と、法律の束縛を受けない610弁公室の不法行為を訴えた。そのために、高弁護士は2006年12月に「国家転覆扇動罪」にて3年の不法懲役に処され、執行猶予5年、1年間政治権利を剥奪された。執行猶予期間中に、高弁護士は北京自宅に軟禁され、妻および2人の子供も当局からの嫌がらせを絶えず受け、しいては勾留されることもあったと明らかにした。

報告によると、一部の外国評論・関係者は、中共当局が公布した強制労働収容所に監禁している25万人の内の半分が法輪功学習者だと推定しているが、法輪功団体が公布した数字はこれより高いという。1999年に弾圧が開始してから、十数万人の法輪功学習者が監禁され、子供を含めて、迫害による死亡した学習者は、身元確認が出来ただけでも3千人以上だという。また、数千人の学習者が精神病院に監禁され、強制的に薬物注射されまたは、スタンガンによる電気ショックを強いられたという。2006年3月、国連人権委員会拷問問題調査の国連特使マンフレッド・ノーワック(Manfred Nowak)氏は報告の中で、中共の刑務所で拷問を受けた被害者の内、法輪功学習者が66%を占めていると指摘した。さらに、法輪功学習者に対する迫害は海外まで延長したと強調し、ロシア政府は国連難民に認められた学習者らを中国へ強制送還したことを挙げた。

報告は、2006年4月に中国瀋陽・蘇家屯血栓中医医院で、生きた法輪功学習者を対象に臓器摘出・売買し、暴利を貪る法輪功学習者を監禁している集中キャンプがあることに言及した。

これに対して、2006年7月6日、カナダ元政府高官デービッド・キルガー氏と、国際弁護士デービッド・マタス氏が発表した独立調査報告の中で、中共が法輪功学習者を対象に、系統的に大規模の生体臓器狩りを行い、利益を貪る犯罪行為を告発した。独立報告では、「中国政府およびそれに付属する各地機構、特に病院、監禁場所および人民裁判所は、1999年以降、具体的な数字は不明だが、大量の法輪功学習者を処刑し、心臓、腎臓、肝臓および眼角膜などを含む彼らの重要臓器が殆ど同時に強制的に摘出され、高価に販売された」と指摘し、これらの犯罪行為は未だに続いていると示し、この地球において、これまでにない罪悪だと非難した。

(記者・肖見、翻訳/編集・余靜)