【大紀元日本5月17日】中国はこのほど、ナイジェリアでの通信衛星打ち上げに成功した。新華社通信によると、中国の通信衛星とその運用システムとの両方を購入した国はナイジェリアが初めてだという。ナイジェリアの通信衛星(NIGCOMSAT-1)は、アフリカでTV中継、電話中継、ブロードバンド・インターネットなどのサービスを提供する予定だ。中国は、他の入札者21人を退けて2004年、3億1100万ドルの契約に漕ぎ着け、衛星を打ち上げた。
衛星は、ロング・マーチ3-Bロケットによって打ち上げられ、今年末に最終的な定位置に達し、その後は15年間稼動し続ける。今回の打ち上げは、「地方が先端技術とインターネットの恩恵に浴する」が謳い文句で、ナイジェリアとアフリカの知的経済を振興するのが目的だという。「これで、アフリカの地方から都市への通信が楽になる」とナイジェリアの通信当局関係者・バシール博士は語っている。
BBCなど現地の報道関係者によると、ナイジェリアはここ数年、通信システムの改革に乗り出しており、アフリカ諸国の中でも携帯電話市場が急速に拡大している国の一つだ。宇宙産業に乗り出したことも、ナイジェリアが世界経済の中で成長し始めた象徴だ。
しかし評論家たちは、ナイジェリア国民の大半が貧困に喘いでおり、電力の供給が散発的で不安定なため、インターネットの普及が滞りがちであると指摘している。ナイジェリア政府は、宇宙産業よりむしろ、電力開発、雇用創設、公共事業に支出するべきだと彼らは主張している。
中国によるアフリカ諸国との積極的な経済協力の背景には、中国の急激な経済発展と、それに伴う必要な資源をアフリカ諸国から調達したい考えがある。中国海洋石油有限公司は2006年までに、ナイジェリアに27億ドルを出資し、油田の株式を買い占めているが、その利潤が現地の人々に回らないことから、しばしば反政府勢力との間で衝突が起きている。
ナイジェリアは、アフリカ最大の産油国で、産出量は世界第6位。2006年の日産量は250万バーレル、2010年までに日産400万バーレルを目標にしており、天然ガスも豊富で、世界第7位の産出量を誇る。ナイジェリアは、すでにロシアからの経済協力で気象衛星の打ち上げに成功している。
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