【大紀元日本2月24日】北朝鮮難民救援基金「救援グループJYO」はこのほど、日本市民からの支援募金30万円を使って、北朝鮮咸鏡北道に配給作戦を行い、無事終了した。
2006年11月末からおよそ10日間にわたって救援チームが咸鏡北道会寧市に入った。中国から冬服、医薬品、抗生物質のマイシン、ペニシリンなどを数個のダンボールにいれ、5人が運びいれた。
救援チームが、北朝鮮側の税関に賄賂を渡し、通関手続きを早めてもらうと、外には荷物運びで賃稼ぎをしようと待ち構える苦力(人夫)がいた。荷物を奪われないように出迎えに出てきたパートナーを探して、混雑から抜け出すのが一苦労だったという。自分の荷物をしっかり握っていないと、たちどころに自分の所有物でなくなってしまうからだ。
北朝鮮国内のパートナーは「外部の援助が途絶えてしまい孤立状態です」「物価はものすごく値上がりし、市民の不満は日々高まっています」と早口に中国側の救援リーダーに伝えた。
会寧市には自由市場があるが、中国との国境に位置しているので売買時間が朝8時から夕方5時までと決められ、時間外取引が厳しく統制されている。
市場で僅か1mx2mの店を出している商売人は、「これでは商売にならない」、「生きていけない」など不満が渦巻いていた。
9月の初めに、商人たちが営業時間の統制に不満を持ち、市場の管理責任者に抗議する事件が何度も起きた。そのうち1回は会寧市人民国家安全保衛部にまで押しかけたという。デモ行為の中で参加者一人が圧死し、数人が怪我をしたと聞かされた。
市場の管理、営業時間の統制は厳しく、抗議やデモでは解決せず、11月にも9月に起きたような抗議デモが行われ、20-30人が逮捕されたと当時の様子を語った。
問題の根本は、大多数の人が食糧難で、商売をしながら何とか生計を立てているのに、当局が市場に持ち込む商品やそれらの自由売買を厳しく統制していることであり、商人たちの不満は収まらない。
北朝鮮側のパートナーの責任者の話によれば、住民の出入国も厳しく制限している。100名が申請して2-3名しか許可が下りない。賄賂をだしてもこの有様だ。
最近は、中国住民の北朝鮮への親族訪問も「親族登録」をしていないと認めないし、中国への出国も認めない。中国から招く親族の人定事項を外事事務所、国家安全保衛部、税関等の機関に事前登録しなければ許可が下りない。
親族登録のためには、北朝鮮住民が6,000ウォン(1中国元=400北朝鮮ウォン=17日本円)の費用を支払わなければならない。
会寧市場の物価は、北朝鮮ウォンで次のようだった。米1kg:1,300、トウモロコシ1kg:550、砂糖1kg:1,800、小麦粉1kg:750、豚肉1kg:3,300。
中国からの支援物資は、貧しく冬服を持たない家庭に優先的に配給した。
薬は市場でも品薄で、中国では1単位15人民元(6,000ウォン)で買える抗生物質が、安くても12,000ウォン~16,000ウォンの値がついている。
今回マイシン、ペニシリンを20単位ずつ持っていったが、現地の責任者を通じて実際に必要なところに配給し、残りはこれから必要とする人のためにストックすることになった。
救援チームが中国に戻った後、北朝鮮のカウンターパートから、市場の営業時間が、2回の商人との衝突事件以降、夜7時までに延長されたと伝えてきた。灯油ランプを使って暗い中でも営業しなければ食べていけないとの理由から決まった。
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