中国河北省:生活苦の農民ら、「立て抗」に忍び込み生き埋め

2007/02/15
更新: 2007/02/15

【大紀元日本2月15日】1月31日午前、河北省武安市百官村の廃虚となった「立て抗(垂直に掘り下げた鉱床)」で、村人3人が忍び込んで鉱石を拾っていたところ、武安市安全管理局の埋め立てに遭い、立て抗下で生き埋めになった。事情を察知した村人が当局に通報し、三人は救出され無事を得た。

河北省は、中国で最も重要な鉄鋼生産基地の一つであり、最大の鉄鉱石生産地だ。鉄鋼原石は、全国でも30%の生産高で、2005年までに河北省の鉄鉱石企業は274社を数え、全国でもトップだ。

ここ数年、鉄鋼工業の急速な発展に伴い、「小鉄鉱石」の需要が増大した。これら「小鉄鉱石」に対する法制観念が薄いために、資源の争奪、乱獲・乱開発、鉱山事故などが多発し、安全生産面がなおざりにされてきた。

ここ河北では、農民の生活が困窮しており、家庭によっては病人を看る経済的ゆとりがなく、武安市では、鉱石を拾いに来る人が後を絶たない。拾った鉱石を業者に引き渡すと、1t当たり100元余りになるという。

目撃者の話によると31日に生き埋めになった百官村の村民3人は、当局が立て抗下に声を掛けても、誰も応答しなかったという。捕まれば、罰金を科せられるからだ。

「段」という村人によると、当局は立て抗下に人がいるとは思わず、埋め立てて立ち去った。その後、事件発生から数時間後に、家族が察知し当局に通報したか、あるいは他の坑道に潜んでいた村人が逃げた後に通報したかだという。

当局はなぜこのような廃坑を埋め立てようとするのか。よその土地でもこのような不可思議な「神隠し」が起きているのか。結局、仕事がないから、廃坑に忍び込んでまでして鉱石を拾って、挙げ句の果てに命を落としているのではないのか。村人は疑問に思っている。

村人・魏永良の指摘によると、当地の村人は命の危険を冒してまで鉱石を拾いに来るが、不幸にして捕まると、罰金が数百元から数千元、甚だしいときには数万元を科料され、払えないと実刑判決を言い渡される。

現在、中国の一般大衆は、共産党に対して「恨み骨髄に徹して」おり、もし選挙があれば共産党には投票しないのだが、その機会もないので歯噛みするしかないのだという。魏永良氏は、「私は当地の公安局に共産党から退出することを書面で通知した。共産党が嫌いだから、退出したのだ」と述べた。