中国、メディア統制強化、「氷点週刊」発行停止

2006/01/26
更新: 2006/01/26

【大紀元日本1月26日】中国国内でこの1年間、中国共産党政権の意に反する報道をするメディアが次々に発行停止の処分を受け、報道に対する統制が一層強化されている。昨年12月、北京の「新京報」楊斌総編集長の免職事件がその一例といえる。そしてさらに、今年1月24日、「中国青年報」発行の『氷点週刊』が発行停止処分を受けた。

同誌は創刊して11年、売り上げの下落が続いていたが、民衆にとって最も関心の高い社会問題、官僚の腐敗などの報道により民衆の支持を集め始めていた。

同誌のこれまでの道程は平坦ではなかった。同誌の李大同(リー・ダートン)編集長は、1月17日に発表された記事「新聞統制の黒幕は誰だ!」の中で、同誌は、雑誌の発刊に当たり記事の事前検閲による統制を受けていたことを明らかにした。11日に発表した中学校教科書に関する記事も事前検閲による統制を受け、一部の内容は削除され、その後発行が許可された。しかし、それでも、上層部の批判の対象となり、同件は、中国共産党中央上層部に報告されたという。

国内メディア各社は過去1年、中国社会の暗部および共産党の関与を果敢に報道してきたが、これまでに幾度か政府当局に「粛清」されている。もっとも有名な事件は「南方週末」誌、「新京報」、「経済観察報」、「河南商報」、「深セン法制報」、「百姓雑誌」誌である。これらのメディアは、あるものは最終的に政府当局に屈し、当局の宣伝の道具となり、またあるものは、発行停止処分を受け、編集者及び記者は解雇、担当者らが集団辞職するという結末となった。しかし、中国共産党政権によるこうした強硬手段は、民衆の中共政権に対する不信を増幅し、国内および海外の有識者からの批判を浴びる結果となった。今回の同誌の発行停止処分は、さらなる抗議の波および民衆の中共政権離れを加速するものとみられる。

同誌の発行停止について、浦志強弁護士は「報道すべきことを勇気を持って報道してきた。長く暗い厳冬期にある中国の報道環境において、ここまで持続できたこと自体が奇跡である」とし、表現の自由を尊重しない当局の姿勢は「最悪である」とコメントしている。

24日、李編集長は、インターネットに同事件に関する詳細を残している。また、「氷点週刊のスタッフと明日の発行の準備を完了したところだが、発行はできないようだ。台風の目であるここは至って静かであり、私は自分に下される処分を待つのみだ。」と現在の状況を書き残している。