ロシア:ヨーロッパ向け天然ガス増量、ウクライナと対立激化

2006/01/05
更新: 2006/01/05

【大紀元日本1月5日】ロシアウクライナ天然ガス価格交渉の決裂でウクライナへの天然ガス供給停止の影響のほかオーストリア、ハンガリー、チェコなどヨーロッパ各国へのガス供給量も一時減少となったが、ロシアは3日、ウクライナを経由するヨーロッパ各国への天然ガスの供給量を通常量まで回復した。また、ウクライナのユーシェンコ大統領は同日、米国や欧州連合(EU)など各国の駐在大使と連携し、今回のロシアのガス供給停止について、国際調停機関への提訴を検討していることを明らかにした。天然ガスをめぐる両国の対立は激化する様相をみせている。

ロイター通信によると、ハンガリーやオーストリアのガス供給量は2日夜、通常量まで回復しており、ドイツでも3日、平常に戻った。EU議長国オーストリアのプラスニク外相は3日、EU全体として供給が回復したことを確認した。

一方、ガスプロム社は同問題でウクライナがヨーロッパ向けの天然ガスを共同輸送管から無断採取したことについて質疑した。ウクライナのユーシェンコ大統領は2日、ロシアが主張したガス無断採取を否定、EU諸国などと連携し、国際調停機関への提訴を検討していることを明らかにした。

ヨーロッパ向けの天然ガスは5分の1がロシアからウクライナを経由して輸出されている。ロシアのメディアでは同事件を「天然ガス戦争」と称しており、ヨーロッパ各国の専門家らもロシアは政治目的を遂行するために、膨大なエネルギー供給力を十分に持っていると分析し、政治的圧力を懸念している。