【大紀元日本7月19日】台湾東森新聞報7月16日の報道によると、中国人民解放軍国防大学防務学院院長・朱成虎少将は、米国が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、核攻撃も辞さないと発言した。これまで、中米間の台湾問題についての衝突は局部的なものになるという見方が修正される可能性を示したもので、人民解放軍内部に、対米戦略において全面衝突の強硬論を主張する勢力が存在していることは明らかだ。
朱少将は、香港駐在の国際メディアに対し、この衝撃的な発言をしたと見られる。流暢な英語で、中国政府は内部からの圧力で「自らは核兵器を使用しない」という政策の修正を迫られていると述べ、中国側が台湾主権問題に核兵器の使用を辞さない強硬な姿勢を海外に示した。
朱少将は、「弱い勢力は、最大の努力で強い勢力の相手を打ち破るべき」であると持論を展開した上で、「従来型の戦争なら、我々は米国に勝つことができない」とも話した。「これはあくまでも個人の見解」とした上で、一旦米国が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、中国は即刻強く反応するだろうとコメントした。「我々は、西安より東の都市が全部壊滅することを惜しまない。その代わりに、米国人も数百の都市が犠牲になる覚悟をしなければならない」。
朱少将軍の発言に対し、中国外交部は14日、個人の見解で政府の立場を示すものではないと伝えたが、その後スポークスマンは、外交部が調査中であるとコメントを修正した。中国国防部はコメントを控え、朱少将は、外交部主催のイベントでこの発言をしたと述べただけ。
中国は1964年、初めての核実験を行った。その後直ちに、核攻撃されるなどやむを得ない事態を除き、自らは核兵器を使用しないと宣言した。朱少将の言論は、軍内部にその政策を放棄する声が高まっていることを示唆している。
人民解放軍幹部の核使用の発言は、これが初めてではない。1995年、現中国軍部・熊光楷副参謀総長は来訪の米国国防官員に対して、中国は台湾問題の衝突に核兵器を使用する用意があり、米国は台北ではなく、ロサンゼルスを心配したほうがいいと発言した。
中米関係が微妙な時期に行われたこの朱少将の発言は、米国政府で大きな波紋を広げた。米国国防部の情報によると、これから発表される「中国軍事力報告」に以前よりも強硬な姿勢を示す内容が盛り込まれているという。
1952年生まれの朱成虎少将は、安徽省出身でタカ派と見られている。この発言の後、朱少将が7月6日に中国人民解放軍国防大学で行ったスピーチがネットに流された。スピーチでは、民族主義者ではないが、国家利益を最重視していると自らの考え方を明かした。さらに「核戦争の中、我々は百年来背負ってきたこの重荷を下ろし、全世界を手にするに違いない。中華民族は、必ず核戦争から真の復興を迎える」という過激な発言ばかりだった。
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