【大紀元日本7月1日】オーストラリアで連続発生した中共幹部の政治亡命事件に続き、韓広生・中国瀋陽市司法局元局長が先週、カナダ・トロントに姿を表し、中共のスパイと法輪功迫害の内情を公表した。韓氏は、遼寧省瀋陽市の司法局局長と公安局副局長を歴任、刑務所と労働キャンプを管理する要職につき、これまで亡命を図った中共幹部の中で最も地位の高い人物とされている。中共幹部層の堕落と暗闇に失望、韓氏は3年前に中国から逃げ出し、カナダに亡命したという。
以下は、韓氏が6月28日にカナダのトロントで大紀元の取材に応じ、暴露した中国共産党のベールに包まれた内部事情である。
高官は常に党から監視されている
「中国共産党は副局長レベル以上の高官の事務所電話や携帯電話、住宅電話を盗聴している。監視から逃れるため、もうひとつ秘密の携帯電話を所持する者もいる。」
「例え、賄賂や官僚腐敗、私生活問題が盗聴で発覚しても、共産党中央部と同じ政治態度を保つのであれば、一般的には問題にならない。中央に迎合する立場を示さなければ、これを問題視され、打撃をうける。いわゆる中央部とは、つまり江沢民のことである。」
「欧米社会は、本当の中国を理解するのは難しいだろう。中国の現状は、どうなっているのだろうか?共産党内部の幹部たちでさえ、この党を信じていないのがほとんどである。しかし、体制内に身を置く以上、服従する道しか残されていない。言わば、二重人格者のようなものだ。このような統一した思想と意志がないままで、官僚は職権を濫用し、汚職や官僚腐敗が進んでいる。この現実は止められない。もし、ある地方政府が上の調査に引っかかったら、この政府の関連リーダーらは腐敗問題発覚で全滅するといえる。私が調査に関わった慕・馬腐敗案では、局長級から省長級までの幹部二十数人が捕まえられ、その中には死刑、無期の判決が下った幹部もいた。」
法輪功迫害専用に使われている龍山労働教養所
1999年の末頃、韓氏は瀋陽市「610オフィス」のトップ、市の党副書記・朱錦(女、音訳)から、女性法輪功学習者を専門に監禁する労働教養所を建設することを命じられた。韓氏は、遼寧省司法庁の于鳳成・庁長に異議を申し立てたが聞き入れられず、結局、龍山労働教養所は建設されることになった。
「収監された女子法輪功学習者たちは皆、良家の主婦だった。話しを聞くと、多くの人は病気治療のために法輪功を習い始めたと聞いた。それに法輪功が提唱している「真、善、忍」という道徳論理に惹かれ、参加した人も大勢いた」。
「当時、法輪功迫害の先頭に立っていたのは、遼寧省馬三家労働教養院だった。各刑務所の関係者がここに集まり、洗脳方法を学んだ。張憲生・瀋陽省司法局副局長も参加した。彼が持ち帰った経験は長時間、電気警棒で電撃することだった。彼はその手法を使用するつもりだったが、当時は私が阻止した」
龍山労働教養所は、先日死亡した法輪功学習者・高蓉蓉(女=37才)さんが監禁された場所である。当所の唐玉宝・警察隊長が2004年5月7日、警棒で7時間にわたり高蓉蓉さんを電撃しつづけ、高さんの顔は変わり果てた。高さんの顔が真っ黒に焼け焦げた写真が同年7月にインターネットに流れ、龍山労働教養所の名前が国際社会に広く知られることになった。国際社会からは高さんの安否を懸念する声が高まったが、2005年6月16日、拷問の末、高さんは拘束中に衰弱して死亡した。
欧米国は、中国からの政治亡命者に手を差し伸べるべき
韓氏は1980年、天津にある南開大学在学中に、同級生の中で中国共産党組織に初めて加入した。「中国共産党に追随し、もっと明るく暖かい社会作りに貢献する」という理想を抱えていたようだ。しかし、1989年に起こった中国共産党による『天安門大虐殺』を目の当たりにし、その理想は砕け散った。中国共産党が語っている、「人民の利益が最優先」という言葉は、「全て嘘である」ことを、深く認識したという。
当局が提供した170平方メートルの4LDKの住居や無料衣食サービス、専用乗用車などの優雅な生活と、とんとん拍子に進んできた出世街道をすべて放棄し、韓氏は2001年9月、中国から逃れた。 異国の地トロントに身を移し、アルバイトで生計を立て、狭い地下室に住むような生活を始めた。非常に勇気のいる決断だった。
「最終的に私に逃亡を決意させたのは、中国共産党による法輪功弾圧であった。この党に追随し、生きていくことは、私にとって耐えがたい苦痛だった」と韓氏は語った。
陳用林氏とカク鳳軍氏の政治亡命申請について、韓氏は、もし豪州政府が却下するとしたらたくさんの人たちが落胆するだろう、とコメントした。 これによって、中国共産党体制から早く離れたい中国官僚たちが、欧米社会に身を寄せる勇気をなくしてしまい、同時に「共産党のために命がけで働く道しか残されていない」という絶望感を与えてしまうと訴えた。
最後に韓氏は、「陳用林氏の勇気に敬服している、彼にエールを送り、そして彼が決して一人ぼっちではないということを伝えたい。中国国内の同僚には、『中国共産党についての九つの論評』という本を読んでもらいたい。そして、良心に従って、中国共産党には迎合しないでほしい」と述べた。
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