草庵居士:【歴史存証】中国経済崩壊の完全記録(6月3日)

2005/06/11
更新: 2005/06/11

【大紀元日本6月11日】90年代末に中国株式市場が800ポイントまで下落することを予言して以来、多くの友人が私に、いつそれが実現するのかを尋ねた。一度、私は国内の学者、官僚とカフェで4時間話したが、その結果、2008年に中国経済崩壊するという結論を得た。当時、2人の学者と1人の官僚がこれに徹底して反対した。結局のところ、中国崩壊論者の人数が従来から少なかったからある。しかし、この討論について、中共政治局で海外の資料を取りまとめているある官僚が要約をまとめ、中央政治局の各高官に送付した。約1年余りが過ぎて、この友人は、私により詳しい文章を書くことを提案した。その理由は、今が、この問題を再度提起するタイミングだからということであった。

2003年5月、私は《2008年オリンピック_tong_中国の全面崩壊》という文章を書き、まず国内の十数人の友人との内部交流向けに送付した。この文章において、私は2006年に中国株式市場の崩壊が始まり、一年の時間の後に株価指数が800ポイント前後に下落することを予測した。

約一ヵ月後、相次いで反応が返ってきた。株式市場の予測については、ほぼ全員反対であった。その主な要因は次の五つであった。

一.文章が予測に過ぎ、文章の記述と実際の数字予測にバランスがとれておらず、主観的な要素が多すぎる。

二.中国の重点はやはり金融制度の刷新であり、株式市場の問題を過度に取り上げるのは話題のすり替えである。

三.財政問題と民衆の資源配分の問題こそが特に重要な問題である。

四.もし必要であれば、別の文章を書いて中国の証券の問題を専門に取り上げるべきである。

五.株式市場は非常に敏感な論点で、社会の安定性に影響が及ぶことから、上層部に直ちに受け入れられない。

8月、私の文章が発表され、国内の友人は真っ先にこれを中共上層部に送付した。

今年に入って、中国株式市場は終始説明しがたい動揺に満ちていた。昨年、私の知り合いである国内証券業の著名人が、国有株売却議論を巻き起こした時、私は、彼が多くの海外メディアを探して声を上げるのを手伝った。しかし、この叫びは骨折り損になるか、中国株式市場の崩壊を加速することになることを私は知っていた。

間もなく、証券管理部門に勤務するある官僚が私に対してこう述べた。「痛みを強いること」は必要であり、長期的な痛みであれ、短期的な痛みであれ、痛みは痛みなのである。歴史は必然的にこの世代の人を犠牲にする必要がある。さもなければ、中国の次の世代が更なる苦痛を味わうことになる。

今日、私はとうとう中国の株式市場が1000ポイントまで下落するのを目の当たりにした。3日の上海株式市場での指数の最低値は1000.52ポイントであったが、この暴落の速さは私の予想外であった。もともと、私の予想していた株式市場の暴落は2006年であったが、現在はこれを一年上回っている。また、私は1100ポイントから1000ポイントになるには恐らく半年かかると予想していた。今日の様子を見るに、私の予想は失敗だったのである。意外なことに、中国の上場企業は、私の想像以上に劣悪だったのである。中国の証券会社は私の想像以上にショックに脆かったのである。中国の投資家は、私の想像以上に自信を失っていたのである。また、中国政府は私の想像以上に卑劣だったのである。こうした状況のもとで1000ポイントの壁を割ることは瞬間的な話に過ぎないが、この心理的な壁は、投資家の心からは、既に跡形もなく失われているのである。

電話を取って国内のファンド責任者の何人かと連絡をとり、彼らがなぜ売りに出るのかを知ろうとした。ファンドの管理者らはこう答えた:ファンドの情勢が良くない。下落のスピードがこれだけ速く、他人が逃げる中で、自分が逃げないでいられようか?

電話を置いて、私は思った。ファンドもまた利益を得るための単位であり、政府のために相場を守る責任はない。なぜ逃げないでいられようか?

周小川氏や尚福林氏は立派な経済官僚である。私から見て、少なくとも彼らは中国官僚の1%の精鋭である。しかし、彼らは、歴史の刃先によって深刻な損失を被った数億の投資家の悪罵の対象となっている。しかし、落ち着いて、誰が諸悪の根源であるのかを子細に考えてみよう。中国の金融を主導しているのは彼らなのだろうか?彼らは実際の執行者に過ぎないのである。

恐らく、3ヶ月以内に中国株式市場は800ポイント前後まで下落するであろう。中国の民衆が我慢できるのかどうか、私には分からない。ある者は既に街頭でデモを行っている。中共の上層部が最後の最低ラインを堅持できるかどうか私には分からない。この最低ラインとは、市場を救済せず、中国証券業の慢性自殺の過程において完全に崩落させ、改めて再生させることである。

ある官僚は、私にこう述べたことがある。我々は、必ず一世代の人々を犠牲にしなければならず、そこには我々自身も含まれる。こうすることで初めて中国は救われるのである。私は当時この官僚を見て、何とも言えない思いをした。それは、善と悪が共に焼け滅びていくような感覚であった。

かつて、数人の中共の若い官僚がこう述べた:我々は、当然、改革を行う必要がある。しかし、海外の反対派が何もせず、呼びかけさえも行わない場合、何の理由があって改革を行わなければならないのか?歴史上、皇帝が自ら改革を進め、自らを失脚させたことがあっただろうか?

ある一点において、私は非常に矛盾している。それは、胡・温が江・朱政府の作り出した経済バブルを破壊することを堅持できるかということである。私は、胡・温がGDP崇拝を放棄したことを賞賛したが、彼らの施策は、依然として経済の穴を補填する手法を用い、政治という難破船を維持することなのである。恐らく彼らは堅持するだろうが、彼らが直面しているのは、中共に対して自信を失った数億の投資家及びその家族である。この経済的圧力は、恐らく中共が徹底的な改革を進めるための理由、必要な圧力、好いチャンスを提供してくれるだろう。しかし、私にはそう判断することはできない。数年に渡る胡・温の執政期間において、私には彼らの胆力と智謀、見識が見られなかったからである。恐らく、彼らは中共の未来を守るために中共の崩壊を先送りするか、政権を維持するための理由、言い訳を考えることしかできないだろう。

中共が市場を救済できるのか、私には分からないが、中共には市場を救済する資金があまりないことは知っている。財政上の問題から、中共は最後の選択をしなければならない状況に追い込まれている。BBSにおいて、中国の投資家が、中共政府が出資して株式市場を救済することに対してなおも希望を寄せているのを見る時、私の心は動揺する。中国の民衆はかくも単純なのである。彼らは全く分かっていないのである。江・朱が、腐敗的かつ不公平な経済改革を実施した時点から、彼らは犠牲となるべき世代として定められていたのである。

私が「崩壊」という言葉を語る時、多くの人が私を責め立てる。中国は崩壊を経なくては再生できないと言うと、ある者は、私が飽くなき亡国の心を持った人間であると言う。昨日、中国の著名な経済学者である易憲容氏はこう述べた。「上海株式指数の最低値は1008ポイントとなったが、少なくとも上場企業が存在していれば、株式市場は崩壊しない。相場が継続して下落する可能性は高いが、それは重要なことではない」。

私は、彼の意見が誰の意見を代表しているのかを知っている。また、彼の内心の苦痛と選択を知っている。温家宝首相の最も重要な金融ブレインの一人である巴曙松博士はかつてこう述べた。「股権分置(非流通株の流通)のテストを開始した後、株式指数に一定の変化が現れた。総合指数に非流通株の損失要素と、市場の予測要素等が含まれるようになったため、指数のみに依拠して市場動向を判断する場合に一定のズレが生じるようになった。また、市場で習慣的に利用されている分析指標等にも、顕著な失効と変異が出現した」。私は、彼らが伝えようとしているのがどんな事情なのかが非常によくわかる。また、中国は今、歴史的な転換期を迎えている。おそらく、彼らは株主に対する罪人と呼ばれることになるだろう。しかし、歴史は彼らを功臣と称するかもしれない。周小川氏であれ、尚福林氏であれ、彼らの歴史的な評価をするには時間を要する。

私は、米国の偉大さを賞賛することが非常に多い。一月余り前、私は一本の文章を書き、米国の対中戦略及び人民元レートの問題について論じた。この文章を国内に送付すると、一週間の内に、これを読んだ友人のほぼ全てから返事が来た。返事が最も早かった友人は、受け取って一時間以内に1000字の論考を送ってきた。彼はこう記している。「あなたの分析がもし事実ならば、我々は米国に感謝しなければならないし、私は一生米国の偉大さを称えるであろう」。

株式市場の崩壊は、恐らく、更に重要な事態が発生することを意味する。中国は、本当に一つの転換期を迎えている。私には中共の胡・温の思想が分からないが、彼らは、恐らく生死を賭けた選択に直面しているだろう。これは、痛みを伴う選択である。ある省・部レベルの官僚が、中国の発展を阻害している原因が何かということについて話した時、大声で「一党独裁」と大声で言ったのを私は聞いたことがあるが、しかし、大部分の官僚はなおも混沌たる世界に居ることも私は知っている。