日台協力が進展 産業の供給網と地域の安全保障を強化

2026/10/13
更新: 2026/10/13

日本と台湾は最近、政治、経済・貿易、安全保障分野の交流を引き続き深化させ、協力の範囲を半導体、人工知能から無人機技術や供給網の構築へと広げている。分析では、中共の軍事的圧力や台湾海峡情勢の変化に直面する中、日台協力は産業発展だけでなく、地域の安全保障、経済の強靱性、危機対応能力にも関わると指摘されている。

日台協力が拡大

産経新聞によると、台湾の頼清徳総統は10月10日、「双十節」の建国記念行事に出席するため訪台した日本台湾友好議員連盟の代表団と面会した。

同議連の古屋圭司会長は10月11日、メディアに対し、日本と台湾は、台湾が強みを持つ半導体、ロボット、無人機などの分野で協力を加速すべきだと述べた。

古屋氏は記者会見で、高市早苗内閣が掲げる「17の重要な戦略分野」と、台湾の半導体、人工知能(AI)、ロボットなどの技術は「極めて高い親和性がある」と説明。「新たな日台の産業集積の連携を推進することにつながる」と強調した。

中央通信社の報道によると、古屋氏は記者会見で、日台の防衛協力についてさらに議論する必要があり、特に無人機技術の協力を加速すべきだと述べた。日台の民間部門ではすでにさまざまな防衛関連の協力が行われているが、政府レベルでの協力の方向性は引き続き議論が必要だとした。

報道によると、同議連は防衛協力の作業部会を設置しており、双方の強みを生かして無人機技術の協力を進めるべきだと考えている。

日本の代表団は頼総統との面会で、熊本地震後、台湾の人々が約3億台湾ドル(約15億円)の義援金を寄付したことにも謝意を表した。

日本台湾友好議員連盟の代表団は、台湾高速鉄道の燕巣車両基地も訪問し、日本製の新型車両の整備状況を視察した。交通インフラや産業交流が、引き続き双方の協力の重要な部分を占めていることを示している。

台湾外交部は10月9日、公式サイトで発表した報道資料で、日本台湾友好議員連盟の一行34人の訪台について確認した。同団体は6月に「日本台湾友好議員連盟」へ正式に改称し、今回は改称後初めて大規模な建国記念祝賀団を組織して訪台したと説明した。

日台関係が進展する地政学的背景

日台関係の進展は、まず中国共産党(中共)政府の軍事活動や経済的圧力、台湾海峡情勢が地域の安全保障に及ぼす影響と関係している。

日本の外務省の「外交青書2026」は、台湾を日本にとって極めて重要なパートナーであり、大切な友人と位置づけ、台湾海峡の平和と安定は国際社会全体の安定にとって重要だと指摘している。同時に、日本は日台関係を非政府間の実務関係として維持していることも強調している。

戦略国際問題研究所(CSIS)の報告書は、日本が南西諸島の防衛、基地防護、部隊の機動・輸送能力、空中・海上・水中の無人システムを強化する必要があると指摘した。台湾海峡での紛争によって、在日米軍基地が重要な軍事支援拠点となる可能性もあるという。

CSISの報告書は、中国(中共)による台湾への軍事的圧力、経済的威圧、グレーゾーン活動に対し、米国、日本、オーストラリアは危機時の調整、戦略的な意思疎通、安全保障協力をさらに強化する必要があると指摘した。

同報告書は、台湾海峡の危機が日本国内の米軍施設に波及する可能性があるほか、尖閣諸島周辺で新たな危機を引き起こす可能性もあると分析している。フィリピン北部とバシー海峡も戦略上重要な位置にある。

ブルッキングス研究所の専門家は、台湾海峡の危機と日本の安全保障は密接に関係していると指摘した。日本には米軍の重要な基地があり、台湾海峡で軍事衝突が起きれば、日本が完全に無関係でいることは難しい。日台には正式な外交・軍事上の意思疎通の経路がないため、執筆者は日米台の3者協力を通じて政策調整と危機対応能力を改善するよう主張している。

無人機協力が徐々に制度化

台湾の民主・社会・新興技術研究院(DSET)が9月23日に公表した報告書によると、日台協力の制度が徐々に構築されている。DSETの集計では、日台の政府機関、業界団体、企業、研究機関の間で、少なくとも20件の無人機関連の協力覚書が公表されており、約半数は2025年に締結された。

報告書は、日台協力の範囲も拡大しているとした。協力覚書は技術交流、市場開拓、用途開発、供給網の協力に及び、双方が個別企業間の接触から、産業協力のネットワークを徐々に構築する段階へ進んでいることを示している。

報告書は、日台の無人機産業の補完関係をさらに発展させる価値があると指摘した。台湾は無人機の製造と生産能力の拡大に強みを持つ一方、日本は防衛装備の調達を増やし、国内製造能力を強化め、より信頼できる供給網を求めている。

DSETは、日本が台湾製無人機の調達を検討し、共同生産を通じて協力を深めることも提言した。これはシンクタンクの政策提言であり、実施が決まった政府の調達ではない。

半導体生産の協力が深化

中央通信社は2月5日、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家会長兼最高経営責任者が高市早苗首相と面会した際、AI需要に対応するため、熊本第2工場の製造プロセスを3ナノメートルに変更することを検討していると述べたと報じた。

赤沢亮正経済産業相は、熊本第2工場で3ナノメートルの先端半導体を量産することは、日本の産業発展と経済安全保障に大きく貢献すると述べた。

台湾経済部の投資審議司は、TSMCによる日本子会社JASMの投資計画の変更を承認した。製造プロセスを3ナノメートルに変更し、12インチウエハーの月産能力を1万5千枚とする計画で、2028年に設備を設置し、量産を開始する予定だ。

日本のアジア経済研究所(IDE)は論考で、TSMCによる熊本での3ナノメートル先端半導体の生産は、最先端半導体の前工程を日本国内に導入するもので、世界の半導体供給網における日本の影響力を高める大きな進展となるとした。

米国の戦略国際問題研究所(CSIS)は、日本政府が補助金やTSMC、ソニー、デンソーなどの企業との協力を通じて、半導体製造の国内回帰と産業再建を進めていると指摘した。これは日本の政策の考え方の転換を示す。半導体の自主生産だけを追求するのではなく、国際協力を通じて国内の製造能力を再構築し、供給網の強靱性を高めるというものだ。

5月、頼清徳総統は日本台湾交流協会の隅修三会長と面会した際、半導体、AI、情報通信技術(ICT)などの分野における日台協力に言及し、経済・貿易やその他の分野の交流を深めたいと述べた。日本側も、双方の交流と協力がますます頻繁になっていると指摘した。

日台協力強化の戦略的必要性

日本と台湾は地理的に近く、日本最西端の与那国島は台湾本島から約111キロの距離にある。CSISの2025年12月の報告書は、日本が中国による台湾侵攻や封鎖などの安全保障上の事態に備え、中央政府と地方自治体の調整、危機情報の管理、住民保護を強化する必要があると指摘した。

日本政府はすでに先島諸島の住民と観光客の避難計画を策定している。緊急時に沖縄県の先島諸島の住民と観光客約12万人を九州、山口などへ避難させ、約6日間で完了することを計画上の目標としている。

台湾海峡で軍事衝突が起きた場合、日本は周辺の海空域の安全、海上交通やエネルギー輸送の阻害、米軍基地の使用などの問題に直面する可能性がある。このため、日台は適切な法的・外交的枠組みの下で、危機情報の交換、海上の安全、住民保護、災害対応の協力を強化する必要がある。

また、日台協力は海上交通とエネルギー供給の維持、半導体や重要技術の供給網の強化、地域の抑止力と危機対応能力の向上などにもつながる。

日本国際問題研究所(JIIA)などの研究は、台湾海峡情勢が日本の安全保障に関わることから、日台が適切な法的・外交的枠組みの下で、危機情報の交換、海上の安全、災害対応の協力を強化する必要があると指摘している。

電通総研経済安全保障研究センター(DCER)は、台湾が日本の重要な貿易相手であり、2024年の日本の集積回路輸入に占める台湾の割合が58.8%だったと指摘した。台湾の先端半導体産業の変化は、日本企業の競争環境と経済安全保障に直接影響するという。

責任編集:孫芸

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