第2次高市改造内閣が発足 「責任ある積極財政」掲げ実行力重視の布陣

2026/09/17
更新: 2026/09/17

第2次高市改造内閣が発足した。自民党と日本維新の会による連立政権として、高市早苗首相は「決断と挑戦、そして実行」を基本姿勢に掲げ、衆院選で示した政権公約の実現を急ぐ考えを表明した。主要閣僚を留任させて政策の継続性を確保する一方、新たな担当ポストを設け、日本維新の会からも閣僚を起用した。

高市首相は記者会見で、自民党が316議席、日本維新の会が36議席を得たことに触れ、「一度決断をすれば一糸乱れることなく一丸となって前進する」と連立政権の結束を強調した。改造内閣を「決断と挑戦、そして実行の内閣」と位置づけ、政策の実行を本格化させる考えを示した。

経済政策では「責任ある積極財政」を引き続き柱とする。世界的な産業や人材の獲得競争が激しくなる中、「日本成長戦略」と「地域未来戦略」を推進し、国内投資を呼び込み、潜在成長率の向上や雇用、所得の拡大につなげる方針である。

経済成長によって事業収益や税収の自然増を促し、国内総生産(GDP)が拡大する中で経済の好循環を形成することで、全世代型社会保障の財源確保と中長期的な財政の持続可能性を両立させる考えも示した。

物価高への対応では、飲食料品の消費税率引き下げと事業者の負担軽減支援に関する法案について早期成立を目指す。財源については特例公債に頼らず確保する見通しが立っていると説明し、市場との丁寧な対話を通じて信認の維持を図る姿勢を示した。

派閥より専門性と実行力 全議員アンケートを人事に活用

閣僚人事では、当選回数や旧派閥のバランスよりも専門性や実行力を重視した。

高市首相は、全自民党所属議員を対象に実施したアンケートを自ら精査し、各議員の専門知識や課題意識、政策への意欲などを判断材料にしたと説明した。既存政策を執行するだけでなく、新たな政策を提案しながら推進できる人材を選んだとしている。

選挙基盤が安定し、地元対応に追われることなく政策の検討や実行に集中できることも選考要素とした。旧派閥のバランスについては「全く考慮していない」とし、実力本位の人事であることを強調した。

政治資金収支報告書の不記載問題で過去に処分を受けた議員の起用については、過去の事実が消えるわけではないとしながらも、本人が説明を行い、2回の国政選挙を通じて有権者の審判を受けたと説明した。その上で、政策を実行する上で必要な能力を持つ人材には、襟を正して重責を担わせる考えを示した。

財務・外交・防衛など主要閣僚を留任

外交・安全保障や経済財政、エネルギー政策など、政策の継続性や海外のカウンターパートとの信頼関係が重視される分野では主要閣僚を留任させた。

官房長官には木原稔氏、財務相には片山さつき氏をそれぞれ留任させた。片山氏には「責任ある積極財政」の中核に加え、消費税支援金法案の次期国会での法制化を担わせる。経済財政担当相の木内均氏も続投し、市場との対話や成長戦略の具体化を進める。

外相には茂木敏充氏が留任した。首相の首脳外交の成果を踏まえ、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の深化や「パワー・アジア」構想を進める。

防衛相には小泉進次郎氏を引き続き起用した。無人機運用など新たな戦い方への対応を含む防衛力の抜本的強化に取り組み、年内の防衛関係文書などの見直しを進める。

経済安全保障担当相の小野田紀美氏も留任し、データ主権の確立や秩序ある共生社会の推進を担う。

経済産業相には赤沢亮正氏を続投させ、年末までに「POWER GX戦略」を取りまとめる。安全性を大前提とした原子力の活用や、ペロブスカイト太陽電池をはじめとする次世代技術の開発・導入を進める方針である。

維新から初入閣 AI、防災など新ポストも

新たな政策課題に対応するため、担当職務の再編や新ポストの設置も行った。

日本維新の会幹事長の中塚浩氏を規制改革担当相として初入閣させた。成長の妨げとなっている規制を見直し、民間投資や技術革新を促す役割を担う。高市首相は中塚氏の入閣を、自民・維新連立政権が「新たな段階に進む象徴」と位置づけた。

復興相の細野豪志氏には防災相を兼任させた。将来的な「防災庁」設置を念頭に、福島や東北の復興で得た知見を全国に展開する。自然災害の激甚化を踏まえ、「国際防災協力担当」も新設し、日本の防災技術の海外展開を担わせる。熊本地震の被災地については、復興基金への財政措置を速やかに検討する。

デジタル相の古川俊治氏には、新設する「AI・デジタル改革推進人工知能戦略担当」と「コンテンツ戦略」を兼任させる。経産相の赤沢氏にも「AI社会実装担当」を新たに兼務させ、医療・介護や中小企業でのAXを推進する。

総務相の藤井比早之氏は「福祉と整備等推進担当」と「地域未来戦略担当」を兼任し、地方自治体による産業クラスター計画などを支援する。

環境相の笹川博義氏には、野生動物による被害拡大への対応として「熊被害対策担当」を新設した。国家公安委員長の葉梨康弘氏には、特流などの悪質犯罪の撲滅や治安の確保に注力させるとともに、領土問題や沖縄及び北方対策担当も兼任させる。

農林水産相の簗和生氏には、農林水産業への徹底的な支援や農林水産物・食品の輸出拡大、フードテックの社会実装などを求める。なお、備蓄米21万トンの買い戻しについても、農林水産省で決定した施策として円滑に進める方針を示した。文部科学相の関芳弘氏には、大学や高等専門学校の改革を通じた人材育成を託した。

高市首相は会見で「挑戦しない国に未来はない。守るだけの政治に希望は生まれない」と述べ、各閣僚に政策の実行を求めた。

第2次改造内閣では、主要政策を担う閣僚の続投による継続性を確保する一方、AI、防災、規制改革など新たな課題に対応する担当を配置し、経済成長や安全保障、国民生活に関わる政策を進める方針である。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます